- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県那須烏山市
- 広報紙名 : 広報なすからすやま 2025年6月号
◆ライフステージごとの口腔ケアのポイント
▽妊娠中
ホルモンバランスの乱れや生活習慣の変化で、むし歯や歯周病が進行しやすい時期
ポイント
・体調に合わせたバランスの良い食事をとる
・定期的に歯科健診を受診する
・口腔乾燥をまねく喫煙は控える
▽乳幼児期(0~5歳)
エナメル質が未熟で、弱い乳歯が生えそろう時期
ポイント
・仕上げみがきを習慣づける
・砂糖の少ないおやつを選び、時間を決めて食べる
・フッ化物を利用する
▽学齢期(6歳~17歳)
乳歯から永久歯への生え変わりで、むし歯リスクが高まる時期。また、思春期のホルモンバランスの乱れで歯肉炎が増加しやすい時期
ポイント
・毎日正しい方法で、丁寧に歯みがきをする
・永久歯のむし歯を予防する
・規則正しい生活習慣を確立する
▽青年期(18歳~64歳)
多忙で生活が不規則になり、自分の歯や口への関心が薄れる時期
ポイント
・歯周病を予防する
・一本ずつ時間をかけて丁寧に歯みがきをする
・毎日、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用する
▽高齢期(65歳以上)
身体機能の低下とともに、歯の喪失や唾液の減少、かむ力や飲み込む力の低下などがおきやすい時期
ポイント
・口の中を清潔に保つ
・口の体操などで口腔機能を維持・向上する
・歯と口腔のケアに関する知識を得て実践し、8020を目指す!
≪8020(ハチマルニイマル)とは≫
1989年から厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
8020で生涯おいしい食事と健康な生活を目指しましょう!
◆Interview 塩田先生に聞きました
医療法人博信会スマイル歯科
歯科医師 塩田 太 先生
現在、歯周病は日本人の約80%が罹患していると言われており、内科的疾患、糖尿病や心臓病など多くの病気に影響するのは周知のとおりで、完治が難しい病気です。日常的な予防対策としては、正しい歯みがきが最も重要です。
歯周病の原因の一つに歯垢(プラーク)がありますが、これらの複数の悪玉菌が手を取り合って連鎖し、強力なヌメリとなっているのを「バイオフィルム」と言います。しばらく掃除しないときに出る台所やお風呂の排水溝のいわゆる「ヌルヌル」です。バイオフィルムは、ご家庭での歯みがきでは全ては除去できません。歯科医院での専門的な歯面清掃をお勧めします。
また、歯周病の原因の一つとして「咬合性外傷」があります。歯ぎしりや食いしばりによって、自らが自分の歯と支える骨をいじめて奥歯から歯を失うこともあります。かみ合わせは、習癖や歯周病の進行などで日々変化していきます。正しいかみ合わせを保持するためにも、かかりつけの歯科医院で定期的にチェックしていただければと思います。