- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県下野市
- 広報紙名 : 広報しもつけ 令和7年12月号
市地域自立支援協議会の就労部会では、障がい者の就労の現状や課題について協議などをしています。今回は、10月から開始となった「就労選択支援制度」の概要と、4月に開催した研修会の様子についてご紹介します。
「就労選択支援制度」とは、就労系障害福祉サービスを利用する意向がある方に関わる制度です。「興味があるけれど、よく分からない…」という方も多くいらっしゃると思いますので、この記事がチャレンジするきっかけとなれば幸いです。
■就労選択支援の概要
「就労選択支援」とは、障がいのある方が自分に合った就労先や働き方について理解し、就労に関するより良い進路選択ができるように提供される新たな障害福祉サービスです。
原則1か月以内の利用期間で、ご本人の就労に関する希望や生活状況・適性などを確認し、ご本人がより良い進路選択ができるよう支援を行います。具体的には、面談や作業場面等を通じて、これまでの生活や就労経験の振り返りや、作業遂行や対人関係の状況確認などを行い、ご本人の強みや特徴、希望する方向に進む上で課題になりそうなことを一緒に整理します。その上で、どのような就労先や働き方の選択肢があるのか、地域にある就労移行支援や就労継続支援A型・B型、一般就労などの就労先の選択肢を整理し、ご本人がより良い進路を選べるよう支援することを目的としています。
ご本人の希望と適性を尊重し、地域の中で連携をしながら、一人ひとりが安心して働ける共生社会の実現を目指した支援の取り組みです。
■研修会の様子
就労選択支援制度についての研修会を、4月に開催しました。講師として、市内で障がい者の相談支援事業所などを運営する、(一社)Bridgeの代表理事を務められている山口氏をお招きしました。研修会は、市内外の障害者就労支援を行う事業所など、計24名(市地域自立支援協議会 事務局2名含む)が参加し、制度の概要をじっくりと学ぶことができました。
障害雇用率の引上げにより障害者雇用は年々増加していることなど、現状の障がい者を取り巻く背景についてや、就労選択支援制度の目的や内容、利用までの流れについて、わかりやすくまとまった資料をもとにご講義いただきました。研修会の時点ではまだ制度施行前であったため、県外のモデル事業を例に、就労アセスメントの方法も学びました。さらに、これから課題となりうる事案の共有をしました。
研修終了後のアンケートでは、開始となってから再度概要を学ぶ研修会の開催希望や、支援者からの制度に関する期待や不安の声が寄せられました。
■まとめ
研修に参加し、就労系障害福祉サービスの利用を希望する方が、利用前に自身の就労能力や特性について客観的に評価を受けることで、適切な障害福祉サービスの利用につながる制度であると感じました。
しかし、まだ開始して間もない制度であるため、これから課題がさらに出てくると思われます。市地域自立支援協議会の就労部会では、引続き「就労選択支援」制度の進め方などについて協議を進め、1人でも多くの障がいのある方が自分らしく働くことができるように取り組んでいきます。
問い合わせ先:社会福祉課
【電話】32-8900
