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■丸辰商店
▼南河原スリッパの伝統を次世代に(1)
昭和38年の創業以来62年の歴史に幕を下ろし、今月12月末でスリッパ製造業に終止符を打つことを決めた丸辰商店。今月は南河原の伝統産業、スリッパ産業を長年牽引してきた同商店を紹介します。
同商店代表の和泉文夫さんは昭和54年に急逝した先代の後を引き継ぎ、スリッパ製造業を始めました。最盛期には地区内に40軒近くの業者がおり、昭和55(1980)年ごろに南河原スリッパは生産量日本一、全国の生産量の7割を占めるほどに成長しました。
「私のモノづくりは直接消費者に販売するものではないため、問屋さんなどからの情報収集を欠かさず、その声をスリッパ作りに生かしてきた」と語る和泉さん。わずか7人程の少ない職人で消費者のニーズに応える製品を作り続けてきました。しかし、時代の流れとともにスリッパ産業は安価な海外製品の登場に押され、徐々に衰退していきます。
こうした中、平成29(2017)年に南河原スリッパの伝統を後世に残すため、「南河原スリッパプロジェクト」が立ち上がり、これまでにはなかった新たなデザインのスリッパが登場。和泉さんはその商品開発に携わる中で「左右違う柄のスリッパを自分が好きなように選んで履くなど、従来のスリッパにはないアイデアを受け入れることも必要」とこれまでの意識を変えることの必要性を語ります。
地場産業の復興に積極的に参加してきた丸辰商店ですが、後継者がいないことなどを背景に廃業することを決めました。その一方で、同商店の技術や地域産業の伝統を守り、次世代につなげようとする熱い想いを持った人もいます。
南河原スリッパの伝統や技術がなくなるかもしれない。この現状を知った株式会社オンデザインの岡田知貢さんは丸辰商店のノウハウを継承し、自社で引き継ぐことを決意。和泉さんは「引き継いでくれたことには感謝しているが、課題も多い。それを乗り越えて次のステップに進んでもらいたい」とその思いを語ってくれました。丸辰商店を含めてもわずか4軒となった事業者の中で新たな力が伝統を引き継いでいきます。
市報ぎょうだ令和8年2月号では丸辰商店の後を引き継ぎ、スリッパ産業を次世代へとつなげる株式会社オンデザインを紹介します。

▽会社プロフィール
代表 和泉 文夫
事業内容:スリッパ製造業
所在地:南河原580-1

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