- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県行田市
- 広報紙名 : 市報ぎょうだ 令和8年2月号No.956
■株式会社オンデザイン丸巳事業部
▼南河原スリッパの伝統を次世代に(2)
市報ぎょうだ12月号(No.954)では、南河原のスリッパ産業を長年牽引してきた丸辰商店を紹介しました。今月はその丸辰商店から技術やノウハウを受け継ぎ、南河原スリッパの伝統を守ろうとする株式会社オンデザイン丸巳事業部を紹介します。
同社代表取締役の岡田知貢さんは建築デザイン設計や店舗デザイン業務などを中心に事業展開し、南河原商工会の会員として活動してきました。しかし、顧客の多くが飲食店であることからコロナ禍で仕事が減少。そんな折、南河原商工会から同社の強みである「デザインの知見を生かせるのでは」とアドバイスを受け、南河原スリッパの商品開発に携わることになりました。
そこで出会ったのが丸辰商店の和泉文夫さん。岡田さんは、最盛期に40社程あったスリッパ製造業者もわずか4社という南河原スリッパの厳しい現状を知るとともに、一緒に商品開発を行う和泉さんもまた廃業しようとしていることを聞きました。
幼い頃から知る南河原スリッパが「このままではなくなってしまう」、丸辰商店が廃業したら「商工会が進める南河原スリッパプロジェクトも頓挫してしまう」そう思った岡田さんは丸辰商店を引き継ぎ、スリッパ業界に参入することを決意しました。
職人の世界では「技術は目で見て盗め」とされることもありますが、和泉さんは岡田さんや職人たちに優しく手取り足取り教えてくれるだけでなく、裏方のフォローなども快く引き受けてくれるそうです。こうした和泉さんの思いに応えるべく、岡田さんは日々スリッパ製造や商品開発に力を入れて取り組んでいます。
「南河原の伝統を継承して守るべきところと、変えていくべきところがある。その見極めが重要」と岡田さんは語ります。「伝統」と「革新」。岡田さんの胸には海外進出なども見据え、南河原スリッパのリブランディングに向けた熱い思いが宿っています。そして最後に「時代の流れとともになくなるものもあるけれど、スリッパは今の日本文化に適合していて、自然淘汰されるべきものではない」とスリッパへの思いを語ってくれました。
また、丸巳事業部は令和7年度に県知事から彩の国工場の指定を受け、「皆さんに気軽に工場見学に来て欲しいから」と地域に愛される工場づくりを進めています。伝統ある南河原スリッパにご興味のある方は、ぜひ一度同事業部を訪ねてみてください。
▽会社プロフィール
代表取締役 岡田 知貢
事業内容:スリッパ製造業
所在地:南河原141
