文化 〔特集〕ところざわの伝統芸能

脈々と受け継がれてきたずっと変わらない所沢の魅力。近所の神社のお祭りやお寺の行事で聞こえてくるにぎやかな音色やかけ声、心踊る舞。お正月に行った神社でお囃子を聞いた方も多いのでは。
新年を飾る本号では、身近にあるけど意外と知らない所沢の伝統芸能をお伝えします。

■ところざわの伝統芸能
人々が日常生活の中で生み出し、継承してきた有形・無形の伝承で人々の生活の移り変わりを示す民俗文化財。
民俗芸能はその分野のひとつで、お祭りなどで人々が演じる歌や舞、踊り、演劇などのことを言います。歴史の古い民俗芸能は「伝統芸能」とも呼ばれています。
市は、昭和44年に「岩崎簓獅子舞(いわさきささらししまい)」と「重松流(じゅうまりゅう)祭ばやし」の2つの伝統芸能を無形民俗文化財に指定しました。保存会や各囃子連の方々によって今も受け継がれています。
市内に伝わる祭囃子の多くは重松流ですが、このほか、神田流、鈴木流などの流派もあります。

■2つの伝統芸能の歴史と見どころ!
市指定無形民俗文化財の、岩崎簓獅子舞と重松流祭ばやし。2つの伝統芸能の歴史や見どころを紹介します。

○3頭の獅子が豪快に舞い踊る! 岩崎簓獅子舞
・歴史
岩崎村(現山口地区)の地頭(旗本)宇佐美助右衛門長元(うさみすけえもんながもと)が、大坂冬の陣の帰途、京都で3頭の獅子頭を買い求め、獅子舞の師匠を伴い凱旋し、村の若者に稽古をさせたのが始まりと伝わる。瑞岩寺には、宇佐美氏の墓塔が遺(のこ)る。
・見どころ
どの舞にも解説があるので、初めて観る方も理解しながら楽しめます。
繊細な青竹と縄で作られた神聖な舞場で豪快に舞う獅子は神々しく、龍を模した龍頭(たつがしら)を使っている珍しい獅子舞は必見!

○即興で生み出される軽快なリズム 重松流祭ばやし
・歴史
所沢で生まれた古谷重松(ふるやじゅうまつ)が編み出したお囃子の流派。幕末~明治期以降、行商のために訪れた各地でお囃子を伝授し、所沢から多摩地域にかけて広まった。決まった譜を持たず、技を口頭で伝える「口伝」で今日まで継承されている。
・見どころ
山車の上でのスピード感あふれる「ケンカ囃子」の中で、小太鼓2つの即興的な掛け合いは、まさに息の合った奏者のなせる技。
おかめや獅子、天狐(てんこ)など、次々と変わる踊りの豊富さにも注目!

■伝統を未来へつなぐ活動
後継者不足が叫ばれる昨今。両保存会ではメンバーを募集しながら、次の世代に守り伝えていく活動も進めています。大切な担い手であるこどもたちにどう継承していくかなど、両会長に伺いました。

○「岩崎簓獅子舞」を大切に思うことは自分たちの根を大切にするということ
岩崎獅子舞保存会 池ノ谷 潔美 会長
岩崎簓獅子舞にはこどもたちが担う舞があるため、まずは獅子舞をこどもたちに知ってもらうことが重要です。
泉小学校では、授業の一環として「名人に学ぼう」をテーマに、3年生が岩崎簓獅子舞を学習しています。獅子舞の歴史や保存会による獅子舞の実演、棒・簓・太鼓体験など、こどもたちに人気のある授業です。授業後には、毎年10月に行われる奉納獅子舞に、演者としてこどもたちに参加を募るのですが、多くの子は小学校卒業まで続けてくれます。
小学生の頃にこの授業を受けた世代が大人になり、獅子を舞う若い世代が育ってきています。一度離れても「自分のルーツに地域の宝がある。地域の誇りを絶やさず次の世代につなぐ」という思いで戻ってきてくれる方たちや、指導者の熱意・協力があり、継承していくことができています。

○所沢生まれの重松流で、主役で踊る感動をこどもたちに知ってもらいたい
重松流祭囃子保存会 小峯 勝次 会長
ところざわまつりの山車の上のお囃子は、すべて所沢で生まれた古谷重松が編み出した「メイドイン所沢」であることを多くの人に知ってほしいです。お囃子クラブでの指導や、お囃子体験会を通して、小学生と交流を図っています。学校から「重松流祭ばやし」に関する授業の依頼もあり、3年生を対象にところざわまつりや山車の話をすることも。
私が所属する星の宮囃子連では町会と連携して、こどもたちにお囃子の魅力を感じてもらえるよう、太鼓演奏や山車の体験の場を設けています。さらに、「やってみたい」と思ったらすぐに練習に参加できるよう、毎週練習の機会をつくっています。
山車の上でのお囃子で、自分たちが主役になれる特別感をぜひこどもたちに感じてほしい。魅了されること間違いなしです。

■もっと知りたい!観てみたい!
何百年にもわたって守り伝えられてきた、所沢の宝。「もっと伝統芸能を知りたい!」と思った方は、ぜひ生の演奏を体感してみては。

○市民ホール展示
2月15日(日)に開催する「伝統芸能発表会」に向けて、市指定無形民俗文化財の展示を行います!
日時:1月26日(月)~2月6日(金)
場所:市役所1階市民ホール
内容:岩崎簓獅子舞・重松流祭ばやしの解説や写真のパネル展示

○伝統芸能発表会
2年に1度開催している伝統芸能発表会。この機会に所沢市の伝統芸能をぜひご覧ください!
日時:2月15日(日)午後0時45分から(0時15分開場)
場所:市民文化センターミューズ
◎会場に直接お越しください。

○動画でも楽しめる!
「気になるけど、会場まで行くのは…」という方は、まずは動画でお楽しみください♪伝統芸能の魅力が存分に詰まった動画となっているので、これを機に伝統芸能の虜になってしまうかも!?

問合せ:文化財保護課
【電話】2991-0308