- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県加須市
- 広報紙名 : 広報かぞ 2025年12月号
■石碑から見えてくる戦争の記憶
今年は太平洋戦争の終戦から80年、日露戦争から120年、日清戦争から130年後に当たります。市内にはこれらの戦争に従軍した方の名前だけでなく、戦病死した方はその場所も記されている石碑が、数多く残っています。明治維新後、最初の対外戦争である日清戦争を碑面に掲げたものとしては、征清軍人凱旋之碑(不動岡コミュニティセンター敷地内、明治29年8月)、征清紀念之碑(北小浜八幡社、明治30年8月)、征清軍凱旋紀念碑(大(だい)神社、明治31年11月)、日清日露戦役紀念碑(大桑小学校校庭、明治45年5月)などがあります。
なかでも、大神社にある征清軍凱旋紀念碑には、9人の凱旋者に続いて西南役従軍として1人の名前があります。それまで農民だった人が急に兵士となったのは、新政府が1872(明治5)年11月、国民皆兵の方針で徴兵の詔を発布し、翌年1月に徴兵令状(加須市史資料編II近現代に写真あり)を交付したからです。この徴兵令によって徴集された兵士が最初に戦ったのが、1877(明治10)年、西郷隆盛率いる不平士族の反乱による西南戦争でした。
紹介者:平澤香 加須市文化財保護審議会委員
○大神社
住所:町屋新田662
問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223
