- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県加須市
- 広報紙名 : 広報かぞ 2025年5月号
■書道
赤荻北州(Akaogi Hokushu)
昭和26年2月生まれ、加須市在住
平成5年日展入選、令和3年千紫会万紅展準大賞受賞、令和5年読売書法展読売新聞社賞受賞
読売書法会理事、千紫会常任理事、埼玉県書道人連盟総務
令和7年「県展」運営委員兼審査員
小学生で書道に出会い、高校、大学では書道部で稽古に励んだ。高校教員となってからも書を続け、現在は来年1月に初開催する個展に向けた作品作りに精を出す。
悲願ともいえる読売書法展読売新聞社賞の受賞は令和5年。仲間や後輩が受賞していく中での受賞は「ただただ嬉しかった」
書が持つ芸術性の特徴は「時間」であるという。筆順に従い筆を縦横に、あるいは上下に動かし、ときに早くなり、ときに遅くなる。そうして書き上げた書には「時間」が刻まれる。
専門である淡墨とは、文字通り薄い墨を使い、あえてにじませる表現。「書いた線は濃く残り、周りに薄くにじみグラデーションができる。そのようなにじみからかすれまでの美しい墨色の変化が特徴です」
書道を教える生徒には「師から学んだものに自分なりの創意工夫を加えることが大切」と伝えている。それは自身の「何より自分の書を、自分らしい書を書きたい」という信念にもつながる。
最後に「赤荻さんにとって『書』とは」と尋ねると「かけがえのないものです。妻と同じです。いつもそばにいるから」と、隣に座る妻を見て笑った。