くらし 市長コラム しんげの一言メッセージ

■激甚化する台風・豪雨に備える
近年、台風や豪雨の動きはこれまでの常識を超えています。これまでは本庄市の場合、西から来る台風は秩父山地にさえぎられ、風雨も短時間しのげばさほど大きな被害は出ない、一方南から来る台風は長く大雨となる危険性がある、との経験則がありました。しかし、最近は地球温暖化の進行により、台風は日本付近でも勢力を落としにくく、進路も不安定になっています。東から西へ逆走する台風など、従来の経験則だけでは対応できない状況が生まれています。
令和元年10月の台風19号では、市内にも多数の住宅浸水や畑の大規模冠水などの被害が発生しました。10月は過去にも大きな台風が来襲しており、このコラムを通じて改めて市民の皆さまに警戒を呼びかけるものです。近年は雨雲レーダーの精度も高まり、自分がいる場所の雨の予想ができるようになりました。しかし集中豪雨については、線状降水帯の発達が急激すぎて、いつどこで豪雨となるか直前までわからないことも多いです。本年7月に本庄市を襲った豪雨は時間当たり100ミリを超えるすさまじいものでした。
このような場合、台地の上の市街地では、一時的に車道に雨水が溜まることがあります。沿道の住宅に流れ込まない限り、これは下流域への急激な流出を和らげる働きをしています。もし台地の市街地で滞留が全くなければ、低い地域の浸水はさらに深刻になりかねません。市民の皆さまにはこうした現象を理解し、冷静に受け止めていただきたいと思います。
一方で、過去に浸水があった、またはその恐れがある地域、さらには土砂災害警戒区域にお住まいの方は特にご注意ください。がけや斜面の変化は大きな災害の前触れになることがあります。防災情報をこまめに確認し、危険を感じた際はためらわず早めの避難をお願いします。市行政も河川や排水施設の監視を強化し、土砂災害への備えに努めます。
激甚化する台風・豪雨に対し、過去の経験と科学的な情報を活いかし、市民の皆さまと共に安全を守ってまいります。

本庄市長 吉田信解