- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県本庄市
- 広報紙名 : 広報ほんじょう 2025年11月1日号
■医療メモ タバコとお口の関係
本庄市児玉郡歯科医師会広報部
喫煙が体に悪い影響を与えることは多くの方が知っていますが、お口との関係についてはあまり知られていないかもしれません。実は、喫煙は歯周病を悪化させる非常に強いリスクファクターです。タバコの煙にはニコチン、タール、一酸化炭素など200種類以上に及ぶ有害物質が含まれ、お口の健康を著しく損ないます。
ニコチンには血管収縮作用があり、歯ぐきの血流を悪化させます。そのため炎症が起きても出血が抑えられ、歯周病が進行していても自覚しにくくなります。タールは歯の表面に沈着し、黒ずみの原因となるほか、プラークや歯石を付着しやすくします。これらは、口臭の原因にも大きく関係しています。一酸化炭素は酸素の運搬を妨げ、歯ぐきの治癒力や免疫力を低下させ、歯周病をさらに悪化させます。
さらにタバコの害は喫煙者本人だけにとどまりません。副流煙には主流煙以上の有害物質が含まれており、周囲の方、特にこどもに悪影響を及ぼします。こどもの歯ぐきが黒く変色したり、免疫が弱まりお口の環境が悪化することもあります。また、家具や衣類などに付着したタバコ成分を吸入するサードハンドスモークも問題視されています。
そして近年急速に普及している電子タバコや加熱式タバコも、安全とは言い切れません。これらは紙巻きタバコのように煙を出さず、ニオイも少ないため健康への害が少ないように感じられますが、実際には多くの有害物質を含んでいます。加熱式タバコからはホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの発がん性物質が発生し、電子タバコの液体には有害な化学物質や重金属が含まれていることもあります。これらも歯ぐきの血流や免疫機能に悪影響を及ぼし、歯周病のリスクを高めると考えられています。
喫煙者は非喫煙者に比べて2〜8倍も歯周病にかかりやすく、治療効果も出にくく、インプラントの成功率にも影響しますし、口腔・咽頭がんのリスクも上昇します。禁煙することで、数週間で歯ぐきの免疫応答が回復し、1年後には健康な歯ぐきに近づくといわれています。
禁煙は本人の努力だけでなく、家族や医療従事者の支援が不可欠です。私たち歯科医師は、お口だけでなく全身の健康を守る立場から禁煙を積極的に支援しています。紙巻きタバコだけでなく、電子タバコや加熱式タバコも含め、今一度タバコとの付き合い方を見直していただければと思います。
■出張いきいき健康塾
皆さん、心不全ってご存じですか?早めに知って、早めに対策!心不全について一緒に学びましょう。循環器内科専門医が分かりやすく解説します。
日時:12月1日(月)午後2時~3時(受付午後1時30分~)
会場:本庄市保健センター2階研修室
講師:宮本敬史先生(埼玉県立循環器・呼吸器病センター循環器内科部長)
対象:市内在住者
定員:30名程度(先着順)
費用:無料
用意:筆記用具
申込:11月19日(水)から電話または直接健康推進課へ
問合せ:健康推進課
【電話】24-2003【ID】20628
■健康づくり講座
[はにぽんチャレンジ対象事業]
運動が苦手な方、運動習慣をなかなか変えられない方におすすめの、日常生活に気軽に取り入れられる運動を紹介します。普段の生活の合間に行いやすい運動のほか、ストレッチ、筋トレなどを紹介します。
日時:12月19日(金)午前10時~11時30分(受付午前9時30分~)
会場:カミケンシルクドームサブアリーナ
講師:県民健康福祉村運動指導士
対象:40歳以上の市内在住者
定員:40名(先着順)
費用:無料
用意:運動する服装、室内運動靴、汗拭きタオル、飲み物
申込:11月18日(火)から電話または直接健康推進課へ
問合せ:健康推進課
【電話】24-2003【ID】19013
