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■能面
能面とは「能」で使用される「面(おもて)」のことで、能の世界観や登場人物の感情・性格・身分を象徴的に表現するための重要な道具です。
今回は、その能面を制作している荻野肇(おぎのはじむ)さんをご紹介します。
荻野さんは幼少期から、お祭りで演じられる神楽を見ることが好きで、その演者が付けている面にも興味を持っていたそうです。退職後の趣味を探していたところ、能面作り教室に通っている友人から声を掛けられて参加したことがきっかけで、本格的に始め、続けるようになりました。日々能面と向き合う楽しさに触れ、制作を始めてから20年程、これまでに約50点を作ってきました。1点を仕上げるのに約半年かかります。
面は能面用のヒノキ材を、のこぎりでいらない部分を落とすところから始まります。その後、ノミや彫刻刀などで形を整えます。特に、彩色の下作りが大切で下塗り後、上塗りでは、その面のベースとなる色をつくり、何度も何度も重ね塗りをして色を付けていきます。
制作の中で最も神経を使うのは目元と口元だそうです。わずかな彫りの違いで印象が大きく変わるため、集中力が求められます。一見無表情に見える能面も、舞台上で角度や光が変わることで、喜びや悲しみなど多様な感情が浮かび上がります。
思い描いていた表情や色合いが形になった瞬間に、能面作りの奥深さと楽しさを実感すると教えてくれました。能面作りは今、荻野さんにとって日々をいきいきとワクワクする時間となっています。
完成した作品は「美協展」(毎年12月開催)等で発表しています。いろいろな角度から観賞してみてはいかがでしょうか…。