- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県春日部市
- 広報紙名 : 広報かすかべ 2025年6月号
◆(113)馬車鉄道の開通
今から132年前の明治26年(1893年)6/1、粕壁町(現春日部市)に馬車鉄道が開通しました。この馬車鉄道は、同年2/7に千住茶釜橋(せんじゅちゃがまばし)(現千住新橋たもと付近)から越ヶ谷町(現越谷市)まで通じていた千住馬車鉄道が粕壁町の最勝院前まで延長されたものです。当初の計画では、明治22年(1889年)6月、千住と幸手間を結ぶ鉄道として計画されていましたが、粕壁から幸手間は、普通の馬車で接続することになりました。
馬車鉄道とは、道路に線路を敷き、客車や貨物車を1頭ないし2頭の馬が引っ張る鉄道のことです。現在の路面電車に近い形態で、陸羽街道(りくうかいどう)(江戸時代の日光道中)を利用して線路が敷かれました。
粕壁から大沢、越ヶ谷、草加を経て千住茶釜橋に至るまで約3時間、運賃は1マイル(約1.6キロメートル)ごとに1銭5厘で、全区間で27銭でした。
明治30年(1897年)5月、千住馬車鉄道は、経営難のため、粕壁から大沢間の営業を取りやめ、同年7月には全線の営業を終えました。明治31年(1898年)11月、千住から大沢間に新たに設立された草加馬車鉄道が営業を再開しましたが、明治32年(1899年)には、東武鉄道が北千住から久喜間で開通し、草加馬車鉄道もその翌年に廃業に至りました。
現在、往事の様子をしのぶレリーフが当時の面影として古利根公園橋に飾られています。
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