- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県狭山市
- 広報紙名 : 広報さやま 2025年9月号
【ケース2】
「売り上げ拡大」
事業を続けてかれこれ10年になります。開業当初から展開してきた商品やサービスは顧客からも一定の支持を頂いています。これからさらに事業を拡大していくため、新しく売り上げの核になるような商品を作り、効果的にプロモーションしたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
▼こんな方には…
◇商品ブランディングと情報発信
〇強みを活かす仕組み作りと適切な手段の選択
商品の開発やブランディングに関する相談で心掛けているのは、今ある技術やノウハウを活用すること。得意で前向きに取り組めることの中から、ターゲットや見せ方をどう変えられるかと新事業にどうつなげられるかを一緒に考えます。
情報発信は「一応SNSやホームページは持っているけれどあまり活用できていない」という方が多いです。情報を届けたいターゲットが誰なのかを具体化して、効果的にプロモーションできる媒体の運用方法のアドバイスをしています。
(Saya-Biz 小林センター長)
〇ブランディングの事例
(宮澤農園のイチゴ)
堀兼地区で代々続くサトイモ農園を現代表が事業継承する際に、イチゴの栽培を開始。そのタイミングでSaya-Bizへ相談に来られました。
「鮮度にこだわる」こと(収穫してその日のうちに出荷)を強みとしてブランドコンセプトを検討しました。「朝日に照らされたつややかなイチゴを届ける」をコンセプトに最高品質の商品を「あさつやいちご」と命名し、ロゴやパッケージも統一。SNSやホームぺージでの情報発信支援とともに「20代の就農者」といったアピールポイントで報道機関に対してパブリシティ活動を行い、メディア報道につながりました。
◇拠点づくりとローカルメディア
〇コワーキングスペースを拠点に事業者マッチング
7年6月から産業労働センター内に「コワーキングスペース狭山」を開設しました。近年、さまざまな場所でコワーキングスペースが展開されていますが、ここを利用する明確なメリットはSaya-Bizに隣接していることです。相談に来られた前後の作業時間などにご活用ください。また、今後は利用者同士が交流し、新たなビジネスアイデアが生まれるようなイベントも定期的に開催していく予定です。
〇街のハッピーニュースを届ける「狭山経済新聞」
狭山地域周辺の出来事や新店開業などを取材し、インターネット上で紹介しています。掲載された記事はYahoo!ニュースやLINENEWSなどのニュース配信サイトにも転載されるため、拡散力は抜群です。取材を希望する方は産業労働センターの窓口へご相談ください。
(産業労働センター指定管理者 (株)コミュニティコム 星野さん)
【ケース3】
「財務体質改善」
市内で長年事業を続けています。顧客も長年お付き合いしている方が多く、売り上げも比較的安定しています。しかし、ここ数年の原材料と人件費の高騰が原因で利益率が低下しており、うまく価格転嫁もできていません。どうしたらよいでしょうか?
▼こんな方には…
◇コスト面から財務体質を改善
ローカルベンチマーク*を活用したり、中小企業診断士の方を派遣したりしています。中小企業診断士の派遣は財務諸表を基に現状を分析できるのが一番のメリットです。その中で原価に課題があるようなら、仕入れ先の変更や決められた原価の中で商品の質を落とさない方法などを提案します。商工会議所は、日々事業者の皆さんと近い距離で接していることが強みなので、できる限り事業者の皆さんと同じ目線でフォローをさせていただきます。
*財務面と非財務面から事業者の現状を把握するためのワークシート
(狭山商工会議所経営支援課 田口主事)
◇運転資金の融資や補助金の活用
金融機関では、日頃から事業所の皆さんのもとに営業担当が訪問し、資金需要がある場合は融資などで運転の円滑化を図ります。他にも、場合によっては事業再構築補助金などを活用できることがあるので、そのための申請書類の作成サポートも行っています。金融機関は資金に特化したフォローというイメージを持たれがちですが、最近ではさまざまな機関と連携する「ハブ」の役割を担っており、課題に応じたフォローを行うことで、事業者の皆さんが持つ経営資源を活用した、新たな価値を創造することを目指しています。
(飯能信用金庫狭山支店 澤田支店長)
■おわりに…
事業者が元気な街は、住む人たちにとっても毎日がいきいきしたものになるはず。市はもちろんのこと、今回ご紹介した機関の人たちは、狭山市がいきいきした街になることを本気で願って、支援に取り組んでいます。
街の中にあるお店の商品が店頭に並ぶまでには、そうした方々の思いやストーリーが数えきれないほど詰まっています。皆さん、ほんの少しだけそんなことを考えて街を歩いてみてはいかがでしょうか?ふとしたきっかけで、お気に入りのお店が見つかるかもしれませんよ。
問合せ:産業振興課へ
【電話】2937-7204