- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県深谷市
- 広報紙名 : 広報ふかや 2025年9月号
深谷市にゆかりがあり、市内外で活躍する個人や団体を紹介します。
◆深谷市出身の力士
豪乃若康介(ごうのわかこうすけ)さん
○感謝と思いやりを胸に一歩前へ!
7月の大相撲名古屋場所の序二段で初優勝を果たしたのは、深谷市出身の力士、豪乃若康介さん。幼い頃から相撲に魅せられ、「テレビで大相撲を見て、武隈(たけくま)親方(元大関豪栄道(ごうえいどう))に憧れていました。」と言います。
本格的に相撲を始めたのは中学校2年の夏からで、埼玉栄(さかえ)高校相撲部の寮に入り、さいたま市内の中学校に通いながら高校生と一緒に稽古に励みました。地元を離れることに迷いがなかったのは、今は亡き母親が、「すぐに行ったほうがいい。」と背中を押してくれたから。「優勝して一番喜んでくれたのは母かもしれません。」と語ります。また、相撲部の部訓『感謝の気持ち』と『思いやり』は、今でも豪乃若さんを支える大切な言葉で、この言葉を胸に相撲に向き合っていると言います。
相撲部を経て武隈部屋に入門し、令和4年の九州場所で自身の誕生日に初土俵を踏み、白星を挙げました。その後は三段目まで番付を上げましたが、痛めていた左肩を今年の2月に手術し、2場所続けて休場して今場所に挑みました。持ち味の『前に出る速攻型』の相撲で、頭から低く攻め、スピードと気迫で勝負を仕掛けて白星を重ね、優勝決定戦では取り直しの末に見事勝利。この時、足の指を骨折していましたが、親方の背中を見て、「土俵では痛みや感情を表に出さないです。」と語る姿に、相撲への真摯(しんし)な姿勢が感じられます。「優勝できて、相撲をやっていて本当に良かった。」と語る豪乃若さんの今の目標は『今年中に幕下昇進』で、夢は『三役入り』と言います。深谷の若き力士は、夢に向かって前に突き進みます。