文化 郷土を知り、郷土を愛する「志木市 歴史さんぽ」-執筆・協力 志木のまち案内人の会-

■第59回 田子山富士塚シリーズ➄ 「山仕舞(やまじまい)(お焚(た)き上(あ)げ)」ってナニ?
毎年8月21日過ぎの週末日の17時30分から、敷島神社境内(けいだい)で田子山富士塚の伝統行事「山仕舞い(お焚き上げ)」が開催されます。山梨県富士吉田市の火祭りを模(も)して行われているもので、登山の無事を感謝し、天下泰平と厄除(やくよ)けを願うものです。まず、敷島神社拝殿にて神事を行い、神火(しんか)を提灯(ちょうちん)に移し、境内中央の井桁(いげた)に積み上げられた松明(たいまつ)の前へ移動します。ここでも祝詞(のりと)を上げ、松明を塩とお神酒(みき)で清めた後、点火します。松明のてっぺんに乗せた杉の葉から煙が盛んに立ちのぼった後、松明が燃え上がり、勇壮な煙と火による清めが行われます。
燃えさしを持ち帰って家の戸口に掛けておくと厄除けになるとの言い伝えがあるため、昭和30年(1955)頃は火が消えかかると、燃えさしを皆で取り合いましたが、今は田子山富士保存会が戸口に掛けやすいものを作り、配布しています。
このようなお焚き上げの伝統行事を100年以上継続して行っていることは極めて珍しく、国の文化財に指定されたときも高く評価されました。今年は8月23日(土)17時30分から行われますので、ぜひ地域の伝統行事をお楽しみください。