くらし 令和7年 新春座談会「こどもまんなか社会」の実現に向けて(2)

◇こどもまんなか社会の実現に向けての現状と課題
奥村
こども計画を策定する上で、もっと多くのこどもや若者の意見を聞きたいのですが、現状市でこどもや若者を対象にした事業がまだまだ少ないなと実感しているので、そういった事業を増やすためにいろいろと模索中です。
板橋さんがおっしゃっていたように、こどもと大人が対等に話せる機会ももっともっと作っていきたいです。時間はかかってしまうかもしれないですが、こどもの意見を聞いて市に反映させられるようにしたいです。

安井
こどもから大人まで楽しめる企画をしてはいますが、高校生から社会人になりたてまでの年代の方が参加してくださるイベントは少ないため、もっと参加を促せるように工夫したいです。

河内
高校生が参加するイベントは少ないとのことですが、例えば教室の後ろの掲示板に貼るだけでも参加を促せて、地域社会がより活性化するんじゃないかなと思います。実際、今年度メンバーとして携わった和光市PRプロジェクトでは、地域の方々との交流や市役所の方々と関わることができ、とても良い学びがありました。
また、この座談会のように、市長や職員の方とお話できる機会は、なかなかないので、良い社会経験のひとつになりそうです。

岡部 泰希(以下、岡部)
若者って意外と何もしないでただおしゃべりするだけで長時間いられる場所を求めていて、もちろんイベントとか社会参加できる機会があるのも大切なのですが、そういう場所がもしできたら、そういうことを周知してほしいなって思います。

市長
若者はたまり場を欲しているという意見にハッとしました。以前訪れた古い公民館が、何もないけどWi-Fiだけが使えるという場所で、そこで高校生が楽しそうに話していたのを思い出しました。若者にはそういった場所の方が需要があるんだなと思いました。

安井
高校生の意見を聞いて、改めて若者の意見って大事だなって感じますね。若者がどんなことを求めているのかを知ることで、市としてもまだまだやりようがあるなと思います。やはりどんな事業をやってもこどもや若者に知ってもらわないといけないので、どうしたら興味をもってもらえるかなども一緒に考えていけたらいいなと思います。

池田 広人(以下、池田)
若者の意見をどうもらうかというのも課題のひとつなんだと感じました。対象が若者だったらSNSやインターネットをもっと有効活用できるのではと思いました。使う機会がすごく多いし、私たちの世代は流行りやバズリにもすごく敏感です。

岡部
私は生徒会の活動をとおして、認知してもらうことや広報活動の難しさを痛いほど感じています。例えば広報紙を作っても、読むか読まないかは生徒側に依存してしまうこともある。広報だったり発信の方法はもっと考えていかないといけないなと思っているところです。

山本
私は広報紙作成の業務をしていますが、和光市では全戸配布をしており、広報紙は市にとって重要な情報発信媒体です。岡部さんもおっしゃっていたように、ただ配るだけではなく、いかに興味をもってもらうかが大きな課題です。市民に関心を持っていただけるよう、市民が主役で、それぞれの取組みを丁寧に伝えること。担当としても市の様々な事業を知る機会を増やし、市民に伝えるために深堀りしていく姿勢が必要だと今日改めて実感しました。多世代交流の場についても、私自身知らないこともありました。まずは自分で知って、各課の皆さんと協力し、たくさんの方に関心をもってもらえるようにしていきたいです。

板橋
情報発信や周知といったところでは、いつも課題を感じています。皆さんと話してみて、自分がいま抱えている課題に対してたくさんヒントが得られました。例えばたまり場が欲しいという意見です。そこに掲示板があれば、そのたまり場は周知にも活用できるのではないかと思いました。


情報発信というところでは、受け取る側の興味・関心に依存するところがあるなっていうのは私も実感しています。中学生のボランティアをLINEで募集した時も思うほど集まらなくて、SNSでも若者に刺さってないのかな、と感じました。そういう経験の中で感じたのは、地域づくりが大事だということです。なんとなく生活しているだけで、情報にアクセスできる環境が必要だと思いました。
また、高齢者事業を行う中で感じるのは口コミの力です。インターネットの情報がこれだけあっても、口コミで広がっていく力とそのスピードって結構すごいと思っています。私たちの取組みも、きっと刺さる人たちは多いと思うんです。地域として、口コミで楽しいと思える取組みが自然に広がるような地域づくりができると良いと思いました。それを“こどもだけのため”とか“高齢者だけのため”とかではなく、地域としてみんなで育っていける環境を考えられると良いと思います。

市長
インターネットで得られる情報よりも、実際に人から得る情報の方が信頼性があると思っています。信頼性という意味では、インターネットで見た情報と、人から聞いた話とはイコールにならないこともあって、情報発信をする時には、インターネットも大事ですが、口コミも活用して、うまく使い分けられると良いですね。