くらし 〔特集2〕想いふくらむフクシゴト〔介護編〕地域密着型サービス事業所(2)

■フクシビトの想い
ここでは、地域の人に寄り添いその生活を支える、フクシゴトの現場で働く皆さんの想いを紹介します。
※各事業所の情報は特集面9-10ページに掲載しています。

◆ケアサポート笑夢(えむ)
管理者(兼オペレーター兼訪問介護員)
清宮尚也さん
管理者として施設を運営しつつ、自身も利用者の自宅へ訪問し、健康管理や買い物など、利用者を幅広く支援する。24時間対応の呼び出しに応じ、随時駆けつけることもある。

~目の前の人が最期に「人生悔いなし」って思えるように、手伝いたい。~
常にインカムを耳に、随時対応の電話に備える姿が印象的な清宮尚也さん。清宮さんが介護の世界で働くことになったきっかけは、ある利用者さんとの出会いでした。

〔「自分には向かない仕事」かもしれないと思っていた〕
学生時代に、バイト先として市内の介護施設で働き始めたんです。介護の知識もなくて、自分には向いてないかもと思っていたんですけど、始めてみたら意外と大丈夫だったんですよね。当時は児童福祉の仕事を目指していたので、介護との関わりは卒業までのつもりでしたが、あるとき一人の利用者さんの「自分は情けない」「命を絶ちたい」という悲痛な声を聞いて、どうして立派に生きて来た人が最期にこんな思いをしなきゃいけないんだ、と憤りを感じて、自分なりにできることをしようと工夫していました。その方が亡くなられた後、「最近楽しいんだよ」と話していたことを人づてに聞いて、目の前の人が最期に人生悔いなしって思えるようにお手伝いすることが自分のやるべきことだ、と思ったんです。

〔介護保険の枠を超えて、困りごとを解決したい〕
卒業後、介護職員として働く中で介護保険では賄えない困りごとを補いたいと思うようになり、6年前に自分の会社を設立しました。前職場から引き継いだ訪問のサービスと保険外サービスを使い分けることで、できることも増えました。
今後の目標として、僕は「お金に頼らなくても幸せに暮らせる地域づくり」をしていきたい、と思っているんです。そのために他事業所の人や同じ思いを持っている人たちとの関係性づくりも進めています。

◇「フクシゴト」に興味がある人へ
この仕事はお風呂とか食事、排泄のお世話っていう印象を持たれがちだけど、それは手段の一つでしかなくて。介護は「その人が幸せになるためのお手伝い」なんです。そういう仕事ってなかなかないので、ぜひ一歩、足を踏み入れてもらえたら嬉しいです。

◇利用者さんの声
一人暮らしを続けつつ、笑夢の定期巡回サービスを利用する中島さんは、御年90歳。訪問の際には健康観察や、重たいものの買い出しなどを依頼しています。「後のことは全部清宮さんに頼んであるの」「本当にありがたい」と笑う中島さんからは、清宮さんへの信頼がにじんでいました。

◆北本ひまわりケアサポート
施設長(兼人事担当)
牧野広太さん
グループホーム、小規模多機能など3施設の施設長としての業務のかたわら、3法人12施設の人事担当者として採用や研修にも携わる。

~介護は思った以上に楽しくて、奥の深い仕事。~
異業種から介護の世界に飛び込んだ牧野広太さんには、大切にしている想いがあります。

〔人事として「現場を知ろう」と飛び込んだ介護の世界〕
企業で4年ほど営業を務めた後、人事担当として現在の法人に転職しました。面接を行う中でもっと自分が介護の現場を知るべきだと感じて、経験ゼロの状態で現場に入ったのですが、思った以上に楽しくて奥の深い仕事でした。今では半々くらいの割合で現場と人事の仕事をしています。

〔利用者の方によりよい介護サービスを届けたい〕
私が大切にしているのは、「介護してあげている」のではなく「介護させていただいている」、という意識です。利用者の皆さんのほとんどは、本当は自宅で過ごしたいんです。そんな方に「ここに来てよかった」と思っていただけることをすべての念頭に置いています。近年の取組みとして、職員全員が業務を止めて、利用者様と関わるための時間を作っているのですが、だんだん利用者様の笑顔が増えていて嬉しいですね。
今後は現場の経験を人事に生かして、研修等を充実させたいと思っています。

◇「フクシゴト」に興味がある人へ
自分のようにささいな興味からでも本気になれる仕事です。大切なのは人に優しくできて、相手の言葉をしっかり待てること。介護の世界にも仕事は色々ありますし、高齢者や学生、全く未経験でも大丈夫です。ぜひ体験に来てください。

◆小規模多機能ホームコープ夢みらい北本
ケアマネージャー(兼介護職員)
尾崎憲吾さん
送迎や入浴の介助など、日々利用者の支援を行いながら、一人ひとりに必要なサービスを見極め、計画を立てるのが主な仕事。

~大先輩の人生に寄り添えたときは、感動します。~
ケアマネジャーとして長年介護に携わる尾崎憲吾さんが大切にしているのは、相手へのリスペクトの気持ちでした。

〔きっかけは子どもの頃に抱いた興味〕
子どもの頃に聴覚障がいのある親戚の手話や筆談を見かけて興味を持ったのが福祉の道に進んだきっかけです。訪問入浴の仕事を経てケアマネジャーの資格を取り、今の生協へ転職しました。居宅介護支援を5年、その後今のサービスに立ち上げから携わって、もう7年目になります。

〔一日でも長く、住み慣れた家で過ごせるように〕
私の主な仕事はケアプランの作成ですが、小規模多機能では、例えば午後自宅で過ごしたい日は入浴とお昼ご飯が済んだら帰宅、など本人の生活スタイルに合わせた柔軟なプランが組めるんです。ご家族とも密に接することができるし、本当に人生に寄り添っていけるというか。その人が住み慣れた生活を1日でも長く続けられるよう本人やご家族を全力で支援する地域密着型の在り方は、自分や組織の目指す地域貢献の形にすごく沿ってると思っています。
この仕事のやりがいは、大先輩の人生に少しでも入り込めた時、寄り添えたときの感動です。大変なこともありますが、周りの人が助けてくれるので孤独にはならないですし、一生懸命やっていると利用者さんも見てくれているのが分かるんです。

◇「フクシゴト」に興味がある人へ
その人に寄り添い、その人の人生をリスペクトする姿勢がなにより大切だと思います。