文化 歴史さんぽ 百四八

『復活の暴れ神輿(みこし)』

長宮氷川神社の境内にある神輿舎という建物には、奉納された神輿が展示されています。中央の神輿は本神輿と呼ばれ、戦前まで天王様のお祭りで担がれていたようです。制作年は不詳ですが、奉納額に記された納主の名が、昭和17(1942)年の伊勢参拝記念奉納額に記されており、その頃の作と思われます。
由来書きによると、戦後、各地で行われた「やみ取引」や「やみ売買」への警察の厳しい取り締まりに対抗し、この神輿を担ぎ、暴れて駐在所の建物を壊したそうです。その咎(とが)を受け、神輿は物置小屋にしまわれ、約30年余りの歳月が流れました。
その後、七夕まつりの目玉にしようと、商店街や商工会が中心となりホコリまみれの神輿を修復し、神輿の渡御(とぎょ)が復活しましたが、神輿が古くガタつきもあり、杉並区の商店街や浅草の宮本卯之助商店から神輿を借用した時期もありました。そこで、新たな神輿を作ろうと駅前通り商店会、一番街商店会、サンロード商店会、上野台銀座商店会、上福岡銀座商店会、栄通り商店会の6商店会が連合し、昭和60(1985)年8月、大小2つの神輿を作りました。
神輿の渡御は七夕まつりの風物詩ですが、担ぎ手不足などもあり、平成20(2008)年を最後に途絶えていました。しかし、市誕生20周年を機に神輿復活の機運が高まり、「ふじみ野神輿会」が結成され、17年ぶりに七夕まつりで神輿がお披露目されます。8月2日(土)午前11時~午後1時に会場を練り歩きますので、この機会にぜひご覧ください。

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第71回七夕まつり
≪ACCESS≫
・福岡中央公園(上野台1・4)、ココネ広場(霞ケ丘1・101)、上福岡駅周辺各商店街
・8月2日(土)午前11時~午後9時/8月3日(日)午後1時~午後9時(神輿渡御は2日(土)午前11時~午後1時)

問合せ:産業振興課
(【電話】049・262・9023)