- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県ふじみ野市
- 広報紙名 : 市報ふじみ野 令和7年9月号
『埼玉軍政部と教育』
昭和20(1945)年8月、第2次世界大戦において無条件降伏した日本は、連合国の占領下に置かれ、11月1日には、米軍の第79軍政中隊が大宮に進駐しました。俗に「埼玉軍政部」といわれ、昭和24(1949)年の廃止まで埼玉県に多大な影響を及ぼしました。埼玉軍政部には、司法課、民政課、教育課などがありました。
教育課の主な任務は、連合国軍総司令部の指令が教育機関で徹底しているかチェックすることであり、各学校で連合国軍総司令部関係の文書は他の文書とは別につづらせ、厳格に保管させました。
大井小学校には「マ・司令部関係文書」と書かれた書類が残されています。「マ」とは、連合国軍総司令部最高司令官マッカーサーと推定されます。
県民や教職員への助言を通じて教育の民主化を推進することも、教育課の任務の一つでした。初代教育課長のメイン大尉(たいい)は、最新の教育事情を周知するため「ニュースレター」や「手紙ニュース」を執筆し、各学校に送付しました。昭和22(1947)年3月17日付手紙ニュース第7号では「裏庭が概して汚いや(よ)うである」として、清掃日を設けるように勧めています。
一方で、教職員が進駐軍の占領政策を非難した演説などを行った際には、すぐに報告するよう求めていました。
上福岡歴史民俗資料館では、企画展「戦争の記憶」を9月21日(日)まで開催し、80年前の戦争の実態に迫ります。
また「マ・司令部関係文書」の一部は、旧大井村役場(苗間34・6)でもパネルで紹介しています。この機会にぜひご覧ください。
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上福岡歴史民俗資料館
≪ACCESS≫
・長宮1・2・11
・上福岡駅東口から徒歩20分、ふじみん号Aコース「福岡小学校前」下車徒歩1分
・開館時間は午前9時~午後4時30分(月曜日と年末年始を除く)
問合せ:上福岡歴史民俗資料館
(【電話】049・261・6065)