文化 歴史さんぽ 百五十

『未来へつなぐまちづくりの証』

令和7年10月1日に誕生20年を迎えたふじみ野市は、これまで市民の皆さんと多くの思い出を紡いできました。笑顔あふれる思い出ができるまちをつくることは、本市の大きな使命です。
まちづくりにおいて、市役所では多くの文書、いわゆる行政文書が作られますが、合併前の旧上福岡市の前身である福岡村・福岡町の役場に保管されていた文書群が、「行政文書」という名称で市指定文化財となっています。この文書群の多くは明治時代の文書で、財務や税務、戸籍、教育などのほか、宗教、軍事関係などもあり、当時の多岐にわたる行政運営の様子がうかがえます。中には、まちを守ろうと尽力した人々の姿を伝える文書もあります。
福岡村成立の翌年にあたる明治23(1890)年8月、埼玉県下で大水害が起こり、村内でも多数の水田の浸水、家屋の床上床下浸水の被害を受けました。上福岡歴史民俗資料館には、水害時の天気が記録された「気象日誌」や被害状況などが記された「水災被害概況調」などがあります。「水災被害概況調」には、村内から人夫が手配され、各地で夜を徹して水防に努めたことが記されています。10月1日(水)~26日(日)に資料館でパネル展示を行いますので、ぜひ、ご来館ください。
行政文書は行政機関とまちの人々が歩んできた証であり、今後のまちの発展に欠かせない貴重な史料です。その証を未来へ伝えることも大切な使命です。
市では、合併から20年間の歩みをまとめた「ふじみ野市史」を11月頃に刊行します。市の情報公開コーナーや図書館などで閲覧できますので、皆さんと本市が紡いできた20年間の思い出を振り返ってみませんか。

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上福岡歴史民俗資料館
≪ACCESS≫
・長宮1・2・11
・上福岡駅東口から徒歩20分、ふじみん号Aコース「福岡小学校前」下車徒歩1分
・開館時間は午前9時~午後4時30分(月曜日と年末年始を除く)

問合せ:上福岡歴史民俗資料館
(【電話】049・261・6065)