健康 健康一口メモ こどものロコモティブシンドローム(運動器症候群)

近年、片足立ちができない。しゃがみ込みができない。両手が上がりにくい。そんなこどもたちが少なくないことが明らかになってきている。
最近、我が国の児童生徒が抱える運動器の問題点として、過度な運動や偏ったスポーツ習慣による運動器の傷害と、運動不足や食生活の乱れから生じる運動器機能不全(不調)という二極化傾向が見られる。
運動器機能不全(不調)とは、成長期のこどもで、体幹や四肢の運動器機能が低下している状態のことをいい、姿勢や歩容状態が悪く、四肢の関節可動域の低下・バランスの低下・筋力の低下などが見られ、日常生活・学校生活でスポーツ外傷・障害をひき起こしやすい状態をいう。このようなこどもの成長期における運動器疾患・障害・外傷および運動器機能不全(不調)などが原因で日常生活に支障をきたしている状態、または支障をきたすリスクが高い状態を子どものロコモティブシンドローム(「子どものロコモ」と称する)といい、現在この子どものロコモの増加が問題となっていて運動器検診が小中学校で開始されている。
学校での運動器検診のとき、脊柱側弯症を中心に、家庭での運動器の調査票も参考にして、子どものロコモティブシンドロームのチェックをしている。チェック方法は、こどもの背中を見て、まっすぐか確認する。次に、両手指を屈伸して、両手が屈伸出来るかみる。次に、両手を伸ばし前かがみになり、背中の異常がないか、側弯症のチェックをする。体を前屈して床に両手がつくか体のかたさを確認する。次に、しゃがみ込みをして膝の屈曲をみる。そのときに、後ろにひっくり返らないかみる。以上こどもの運動器検診をチェックし、正常異常の有無を確認する。
異常が認められた場合は整形外科を中心に診察し、その予防や治療も行われている。特に側弯症は早い時期に発見し、治療が重要である。運動器検診は、管内では平成24年4月より開始された。

〈提供:(一社)樋川北本伊奈地区医師会〉