- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県千葉市
- 広報紙名 : ちば市政だより 令和7年12月号
■田中一村『仁戸名蒼天(そうてん)』
田中一村(1908-77)は生前は無名の存在でしたが、作品とその生きざまに魅了された人々により没後に顕彰(けんしょう)の動きが生まれ、テレビ番組の紹介で全国に知られるようになった日本画家です。終焉(しゅうえん)の地となった奄美大島での制作が有名ですが、千葉市の千葉寺町には1938年から58年までの20年間を過ごし、周囲の人々からの支援も受けながら絵で生きる暮らしを貫きました。
広い青空と光がふりそそぐ木立の表情が印象的な本作は、奄美から一時千葉に帰った一村が仮住まいと画室を提供された、国立千葉療養所の所長官舎からの眺めとされています。その後の奄美時代の作品への変遷も予感させる、画風展開上でも重要で、魅力的な作品です。千葉市美術館では2010年に大規模個展「田中一村 新たなる全貌」を開催したことをきっかけに、縁ある多くの所蔵者の方から作品や資料をご寄贈、ご寄託いただきました。
「千葉美術散歩」では本作を含む千葉時代の一村作品を20点以上展示するほか、12月2日(火曜日)から2月1日(日曜日)には常設展示室にて奄美時代の代表作『アダンの海辺』もご紹介しますので、この機会にぜひご覧ください。
▽広報 磯野
開館30周年記念展「千葉美術散歩」(1月8日(木曜日)まで)展示中です。
問い合わせ:市美術館
【電話】221-2311【FAX】221-2316
