- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県千葉市中央区
- 広報紙名 : ちば市政だより 中央区版 令和7年11月号
■石井林響(りんきょう)
《伏姫》絹本着色1幅
明治37年(1904) 千葉市美術館蔵
石井林響(1884-1930)は、千葉県山辺郡土気本郷町(現在の千葉市)に生まれ、昭和初めにかけて活躍した日本画家です。本図は林響が20歳の時の作。旧制千葉中学校卒業後上京、橋本雅邦に入門し、「天風」と号して画壇にデビューした頃で、最初の歴史人物画として『南総里見八犬伝』の序盤、富山山中で暮らす伏姫を描いたのです。洞窟の奥に法華経の経巻が置かれ、伏姫は水晶の数珠を手に持ち、神性を帯びた少女のような姿と表情です。
千葉市美術館は今年度県内の6館などが連携し開催している〈八犬伝プロジェクト〉に参加し、常設展示室で行う特集「新収蔵・石井林響《伏姫》と八犬伝の浮世絵」で本図を初披露いたします。昨年度に収集が叶い、約70年ぶりの一般公開です。
(常設展示室にて10月8日から11月30日展示)
