くらし 未来を、耕す。

袖ケ浦市は、肥沃な農地や温暖な気候に恵まれ、古くから水稲を中心に、さやいんげんや大根、レタス、とうもろこしなどの栽培が盛んで、県内外に広く出荷しています。
また、酪農や養鶏、果樹栽培なども行われており、1年を通してさまざまな農畜産物が生産されています。
しかし、近年は高齢化などの影響により農家数が減少しており、担い手不足や耕作放棄地の増加、有害鳥獣による農畜産物の被害など、多くの課題を抱えています。
その中で、「農業を仕事にしたい」と、希望を胸に新たに農業の世界へ飛び込む方がいます。
今月号では、市内で活躍する若手の新規就農者に、農業の魅力ややりがい、農業への熱い想いを伺いました。

▽JAきみつ 農業まつり
市内農家さんの作った農畜産物が購入できます!
日時:12月6日(土)午前9時30分~午後2時30分
場所:袖ケ浦市役所
内容:農畜産物の即売会、自動車・農機の展示販売、米すくいどり、大抽選会 ほか

問合せ:君津市農業協同組合本店
【電話】0439-70-1331

▽ゆりの里 年末感謝祭
日時:12月20日(土)午前9時30分~午後2時
場所:農畜産物直売所 ゆりの里
内容:生産者などによるPR販売 ほか

問合せ:ゆりの里
【電話】60-2550

▽新規就農を目指す方へ
市では、新規就農を検討・希望する方の相談を随時受け付けているほか、各種研修制度や国、県、市それぞれの補助などの支援制度をご案内しています。
※詳細は、市ホームページをご確認ください。

問合せ:農林振興課
【電話】62-3426【FAX】62-7485

■家族を想い選んだ新しい人生
児玉将(こだましょう)さん
のぞみ野で独立営農を目指す新規就農者。

◇農業との出会い
私が農業を始めたきっかけは、3つの要素が重なったことでした。
1つ目は、結婚を機とした袖ケ浦市への転入です。会社勤めをしていた当時、家の前に広がる大きな畑で、早朝から農作業に励む農家の方の姿を見て「かっこいい」と憧れを抱いたのが最初のきっかけでした。
2つ目は、コーチを務める少年サッカーチームの企画で、子どもたちと一緒にとうもろこしを育てた体験です。これが想像以上に楽しく、自分でもやってみたいという気持ちが芽生えました。
そして3つ目は、3人目の子どもの育児休業中に、家族との時間の大切さを改めて感じ、子どもが起きる前に家を出て、寝静まってから帰宅していた、自身の働き方を見つめ直したことでした。
農業経験は全くなく、生まれも育ちも農業とは縁がありませんでしたが、妻に本気で取り組む覚悟を伝え、理解を得られたことで、本格的に就農を決意しました。

◇自分に合った「農業」を
現在は、夏にとうもろこしとスイカ、秋から冬にかけては大根とキャベツを中心に栽培しています。
就農1年目はさまざまな品目に挑戦しましたが、1人で管理できる範囲や収穫量・販売の安定性を考慮し、この品目に絞りました。

◇農業の苦労とやりがい
正直、農業は簡単なことではありません。最初の頃に挑戦したトマト栽培では、手間がかかるうえに販売まで繋げるのが難しく、思うような結果を得られないといった苦労もありました。
ですが、収穫した野菜がたくさんの人の手に渡った時や、子どもが「パパの作った野菜だから」と嬉しそうに食べてくれる姿を見ると、何よりやりがいを感じます。家族と過ごす時間が増えたことも、大きな喜びです。
また、地域の農家の皆さんとの繋がりも大切にしていて、とくに、師匠と仰ぐ先輩農家の方との出会いは、私にとって大きな支えとなっています。

◇今後の目標と、これから農業を始めたい方へ
まずは技術を磨き、現在の農地で収穫量の更なる増加と安定を目指します。将来的には規模拡大も視野に入れていますが、少年サッカーの指導や家族との時間も大切にし、無理なく両立できる形を考えています。
これから農業を始めたい方には、本気で農業に取り組む覚悟と責任感の大切さを伝えたいです。農業は、気候や市場価格の変動により、日々の努力が必ずしも結果に直結しないこともあります。それも踏まえたうえで農業に向き合い、また、成功談だけでなく失敗談も含めて学ぶ姿勢を持ち続けることが大切です。地道な努力を重ねる覚悟を持って、挑戦してほしいと思います。

■次世代へつなぐ農業を
水地悠樹(みずちゆうき)さん
農業法人へ参画し、農業後継者として農業を始める。

◇子どもの頃の体験が「原点」
神奈川県横須賀市で生まれ育ち、群馬県の農業専門学校を卒業後、平川地区と福島県の農園でそれぞれ1年間、野菜づくりの基礎を学びました。そして3年前から、百目木営農組合で働いています。
農業を志したきっかけは、子どもの頃に、福島県できゅうり農家を営む母の実家で農業体験をしていたことです。祖父母の家を訪れるたびに、農業の楽しさに触れ、この道に進みたいと思うようになりました。

◇袖ケ浦市を選んだ理由
現在は、組合でとうもろこしやレタス、お米を中心に育てています。最近は、新たにセロリの栽培にも挑戦し始めました。
袖ケ浦市での就農を決めた理由は、温暖な気候と広い農地が確保できること、そして東京や横浜といった大きな消費地への近さに魅力を感じたからです。専門学校時代には、道の駅で販売されている商品の生産者に直接連絡を取って、就農先を探していました。

◇人とのつながりが励みに
農業のやりがいは、自分が育てた野菜を買ってもらい、「おいしい」と言ってもらえることです。また、地域の農家の方々と交流できたり、近くの幼稚園の園児たちが楽しそうに芋掘り体験をする姿を見たりすることも、日々の楽しみであり、励みになっています。人とのつながりが、農業を続ける大きな支えになっていますね。
一方で、農業は天候に左右されるなど思い通りにいかないことも多く、毎日試行錯誤を重ねています。時には、先の見通しが立たず「何が分からないのかが分からない」と感じる難しさに直面することもあります。
それでも、一つひとつの失敗を経験として積み重ね、自分なりのやり方を見つけて、少しずつ成長していけたらと思っています。

◇これから農業を始めたい方へ
まずは、実際に農業を体験してみることをおすすめします。週1日の休みに農家でアルバイトをする、または会社勤めをしながら農業を始めるのも、一つの方法です。
農業は経験がものを言う世界ですし、どれだけ良いものを作っても、他の生産者がより良いものを作れば価格は上がらない、そんな厳しさもあります。
それでも、生活をかけ、命をかけて臨む価値のある仕事だと思っています。

◇地域の農業を支える存在に
今後の目標は、組合としての農業経営の拡大です。まずは来年1人雇用することを予定しているので、新たな仲間と一緒に、野菜と米づくりの技術をさらに磨いていきたいです。
将来的には、培った技術を次の世代へと引き継ぎ、地域の農業を支える存在になりたいと考えています。

問合せ:農林振興課
【電話】62-3426【FAX】62-7485