- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県南房総市
- 広報紙名 : 広報みなみぼうそう 2025年9月号
■市指定有形文化財(彫刻)
『里見(さとみ)の木像(もくぞう)』
所在地:白浜町白しらはま浜4295(白浜地区)
所有者:杖珠院(じょうじゅいん)(曹洞宗)
□菩提寺(ぼだいじ)に伝わる里見四代の姿
白浜の杖珠院は、室町時代後期の文ぶんあん安元年(1444)に、房総里見氏(ぼうそうさとみし)の初代である里見義実(さとみよしざね)(生没年不詳)が創建した寺院です。当院は「前ぜんき期里見氏」と呼ばれている、初代・義実から四代・義豊(よしとよ)(?~1534)までの歴代当主の菩提寺だったとされており、本堂の中には初代・義実/二代・成義(しげよし)/三代・義通(よしみち)/四代・義豊の木像が安置されています。
この4体の像は、江戸時代前期の正保(しょうほう)元年(1644)に杖珠院を再興した角岩麟藝禅師(かくがんりんげいぜんじ)が奉安(ほうあん)したものと伝えられていますが、詳しい来歴は不明であり、作風から江戸時代後期の作品とする説もあります。いずれの
像も寄木造(よせぎづくり)で、高さが31.5cm(成義像)~36.4cm(義通像)、服装は衣冠束帯(いかんそくたい)の礼装姿です。造形は似ていますが、顔立ちや体格、衣服などの細部に差が見られます。彩色(さいしき)が風化・剥落しているほか、手先や笏(しゃく)を失っている像もありますが、像容はおおむね保たれています。前期里見氏の時代から、少なくとも100年以上のちの作品ですが、前期里見氏歴代の姿を現した、現存唯一の肖像彫刻となります。
□公開
・拝観の際は、必ずお寺の人に声をかけてから本堂に上がってください。管理者不在時は拝観できません。
・トイレあり/駐車場あり
*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。
問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963