- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県いすみ市
- 広報紙名 : 広報いすみ 令和7年12月号
■20年ありがとう
いすみ市長 太田洋
私がいすみ市長に就任し、初登庁した日は、平成17年12月25日でした。寒い冬の選挙で、12月は雨の多い日が続きました。それから間もなく、年末になり、平成18年1月4日から出勤しました。慣れない庁舎で緊張しながら階段を登り2階まで行き、案内した職員に、ここが市長室ですと言われました。岬町長時代の町長室は10畳位の部屋でしたが、市役所となる大原庁舎は20畳位の部屋で、広すぎて落ち着かず仕事をしました。
1月中旬、今は長生村に本社のある化学会社の役員と市長室で会い、話をした際に、市長室を見て、「部屋が広すぎますよ、これでは市民目線を失いますよ」と忠告されました。この言葉を聞いて、私はすぐ職員にこの部屋はみんなが利用する部屋にして、明日から隣の10畳位の部屋に移動したいと伝えたところ、職員がすぐ移動作業をしてくれました。その時、これからの市政は市民目線で、市民の悩み、苦しみ、悲しみを受け止められる市長として施策を考えることにしました。また、箱物は作らないで、健全財政を維持することにしました。早速、課長会議で市政の基本を話し、市役所を訪れる市民が、安心して相談できる心優しい市役所づくりを心がけました。本を読み、自分の勉強のため、挨拶文は、可能な限り、自分で書きました。また、市民集会を地区ごとに開き、意見を聞きました。その中で、東地区集会である市民の方から、市長の思いや考えを広報に書いてはどうかとの意見をいただきました。それが毎月、広報いすみに掲載した「ひとこと」です。
市長という仕事は楽しいことは少ない仕事で、ある人は割の合わない仕事だと言っていました。悩みの連続で、眠れない夜もたくさんありました。
微力な私がどれだけ市民の皆さんに幸せと笑顔を提供できたかわかりませんが、振り返るとあっという間の20年でした。人の一生と同じで重荷を背負っての20年でした。ありがとう20年、ありがとういすみ市。ありがとう市民の皆さん、ありがとう職員の皆さん、心から感謝。
