- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県いすみ市
- 広報紙名 : 広報いすみ 令和7年5月号
■幸せな社会の実現のために
いすみ市長 太田洋
昨年、今年と、確実に季節のずれが生じていることを実感するようになりました。寒い冬に、突然、18度のあたたかい気温になるなど、人はもとより、自然界にも大きな影響を与えているように感じます。このまま気温が上昇し温暖化が進むと、地球の未来はどうなってしまうのか心配でたまりません。
さて、ニュースでは、世界的な物価上昇がおこり、特に日本は、円安によって外国からの輸入品の多くが原料の上昇によって価格が上昇し、購入単価は値上がっているとの報道もあります。この状況が続くと、賃金が物価上昇に追いつかず、市民生活は、更に厳しくなっていくことが心配な毎日です。一方、物価の優等生と言われた米や卵の価格も上昇し、特に、米価は著しく、過去の米価の時代を懐かしむ人も多いと思います。
米の生産の有様について問われて久しくなりますが、つい最近までは、60で一万二千円だったものが、一万八千円になり、今では、三万円を超えるものもあります。米が主食で、食の中心をなしていた時代は、米価の安定こそが生活の安定と言われていましたが、時代の変化と生活の変化によって、米が主食の中心から外れようとしています。しかし、日本は、米が主食であり、米は、生活の中で重要な位置を占めています。この米の価格が上昇し、品薄のために金儲けの商品として扱われようとしていることに疑問を感じます。米作りの将来が不安視され、この青々とした田がいつまで続くのかと心配していましたが、米価が上昇し、少なくとも数年前よりも農家の収入は増えてきていると思います。
人口減少、少子化、高齢化の中で、たくさんの課題を抱えるいすみ市ですが、先人の築いた地場産業をしっかりと受け継ぎ、次の時代も「なりわい」として営めるようにしなければならないと思います。物価高騰の中、市民のみなさんの気持ちは複雑なものがあると思いますが、生産者、販売者の暮らしを良くするためには、今、何をすべきか、大切なことは何かを考え、幸せな社会の実現に知恵を出すのは今だと思う日々です。