- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県多古町
- 広報紙名 : 広報たこ 令和7年12月号
◆「赤ちゃんの命を百日咳から守ろう!」 文/国保多古中央病院小児科 齊藤 匡
今年は全国的に百日咳が大流行し、県内ではすでに3、000人以上の人が感染しました。百日咳菌は咳(飛沫)で感染し、痰(たん)の絡まない咳が1週間以上続くのが特徴です。連続する咳で呼吸が苦しくなり、息継ぎをするように咳の途中で息を吸い込むことを繰り返えします。乳児が感染すると呼吸が止まり、命を脅かすこともあります。
大流行している最大の理由は、新型コロナへの関心が薄れて日常的にマスクをしない人が増えたからです。百日咳菌に感染しても熱は出ないため、咳をしながらマスクをせずに学校や職場へ行くと、感染はたちまち広がります。もう一つの理由は、百日咳に対して十分な免疫を持っている人が少ないからです。生後2カ月から2歳までの乳児はワクチンを接種して百日咳の免疫をつけますが、時間とともに免疫は低下し、小学校に入学する頃には多くの子どもが十分な免疫を持っていません。
感染した場合は菌を減らすため抗生物質を内服しますが、すぐに症状は改善しません。最近は、抗生物質が効かない百日咳菌が増えていることも深刻な問題です。
乳児の命を守るために私たちができることは、まずマスクをすることです。特に多くの人が集まる場所では、必ずマスクをしましょう。そして、生後2カ月になったらすぐ百日咳のワクチンを接種しましょう。妊娠中のお母さんがワクチンを接種することで、お腹の中の胎児にも免疫を与えることができます。ぜひ小児科にご相談ください。
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