- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県睦沢町
- 広報紙名 : 広報むつざわ 令和8年1月号
「郷土を誇りに思う心と人間力・社会力の育成と生涯にわたる幅広い学びで『睦沢版ウェルビーイングの実現』」
~基本目標I:園小中一貫教育カリキュラムの実施と確かな学力・自立する力・郷土を誇りに思う心の育成~
◆人格形成の基礎を培う幼児教育・保育の充実を目指して~睦沢こども園の取組~
令和7年3月に策定された「第三期睦沢町教育振興基本計画」では、基本理念を「郷土を誇りに思う心と人間力・社会力の育成と生涯にわたる幅広い学びで『睦沢版ウェルビーイングの実現』」とし、その実現のために六つの基本目標と二十二の重点施策を掲げています。その中の「基本目標I 園小中一貫教育カリキュラムの実施と確かな学力・自立する力・郷土を誇りに思う心の育成」のうち「重点施策五 人格形成の基礎を培う幼児教育・保育の充実」については、主に睦沢こども園の役割が大きく占めています。
こども園は、幼稚園と保育所の機能や特徴を併せもち、0歳から小学校就学前までの教育・保育を一体的に行う施設です。こども園では、人格形成の基礎を培うとともに体験的な遊びや活動を重視し、子どもたちが夢や希望を抱き、充実した園生活を送れる園づくりを推進しています。また、小学校教育との滑らかな接続を意識し、学びの連続性に配慮しつつ、普段の教育・保育内容や方法を工夫しています。
(1)こども園における教育・保育について
こども園における教育および保育は、「遊び」を通しての指導を中心に行っています。こども園に通っている子どもたちは、発達段階では乳幼児期に当たります。乳幼児期は、身の回りにある環境(人・遊具・場所など)に自分から関わって展開する「遊び」を通して育っていく時期です。こども園の職員は、どのような遊びや遊具、材料などを使って遊ぶことで、これらの体験ができるのかについて、日々、子どもたちの様子を丁寧に捉えたり、計画を立てたり、保育室の環境や教材などを準備したり、関わり方を考えたりして、子どもたちの自発的な活動を促していきます。この自発的な活動が学びの土台となります。子どもの「遊び」は、「学び」と深く繋がり、子どもの「学びに向かう力」(好奇心、協調性、粘り強さなど)を育む重要な役割を果たします。
例えば、ものを転がす遊びを通して育まれる資質・能力では、うまく転がしたいと思い、様々な斜度や素材で試してみる。友達の転がす様子をよく見たり、転がし方のアイデアを出し合ったりする。何度も試しながら、転がる仕組みに気付く。発見したうまく転がる方法を他の友達に伝える。などが挙げられます。
「遊び」を通じて、子どもたちは様々な経験を積み、思考力、判断力、表現力、そして人間関係を築く力を育んでいきます。
(2)小学校教育との円滑な接続「架け橋プログラム」の実施
義務教育開始前後の5歳児から小学校1年生の二年間は、生涯にわたる学びや生活の基盤をつくるために重要な時期であり、「架け橋期」と言われています。(『保幼小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き』文部科学省より)この時期の教育については、こども園と小学校がそれぞれの役割を担っています。
しかし、こども園の教育・保育の目標は、「感じる」「気付く」「考える」「工夫する」「興味を持つ」「関わる」などの経験を重視しています(方向目標)。一方、小学校の教育の目標は、「~できるようになる」「分かるようになる」などの目標への到達度を重視しています(到達目標)。
こども園での「遊び」と小学校の「学習」は、一見何のつながりもないように見えるかもしれません。しかし、前述のとおり、こども園では「遊び」を通して、小学校以降の生活や学習の基礎を育成しています。子どもの成長を切れ目なく支える観点から、こども園と小学校は滑らかな接続を意識し、学びの連続性に配慮しつつ、教育内容や方法を工夫していくことが求められています。
円滑な接続の手がかりとして、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)(『幼保連携型認定こども園教育・保育要領』)が示されています。
・健康な心と体
・自立心
・協同性
・道徳性・規範意識の芽生え
・社会生活との関わり
・思考力の芽生え
・自然との関わり・生命尊重
・数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
・言葉による伝え合い
・豊かな感性と表現
睦沢こども園と睦沢小学校は、園・小・中一貫教育の一環として、これまでも子ども同士の交流学習やこども園でのアプローチカリキュラム・小学校でのスタートカリキュラムの実施など、一貫教育の実績を積んできました。
さらに今年度は、園小の立場の違いを超えて、全ての子どもに学びや生活の基盤を育む取組「架け橋プログラム」を実施しています。こども園と睦沢小学校は、これまでの成果を踏まえ、10の姿を共通のめあてとして、相互の教育内容や教育方法の充実を図るため、「架け橋期のカリキュラム」を作成しました。こども園では、10の姿を念頭に置きながら、小学校以降の生活や学習の基盤となる資質・能力を育成します。小学校では、10の姿を踏まえた指導を工夫することにより、こども園で育まれた資質・能力を踏まえて、教育活動を実施していきます。
また、こども園と小学校の職員が、相互の保育・授業公開を参観したり、夏季休業期間を活用して、保育参加したりして、相互の幼児教育と学校教育を知る機会を設けました。
「架け橋期のカリキュラム」は、睦沢町のホームページにも掲載する予定です。
今後も、子どもたちが夢や希望を抱き、充実した園生活を送れる園づくりや、小学校教育との滑らかな接続を意識した教育・保育内容の充実に努力してまいります。
(文責 睦沢こども園 園長 村杉 有)
