くらし 【特集】祐天寺のまちづくり(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都目黒区
- 広報紙名 : めぐろ区報 令和7年11月15日号
■私たちが祐天寺(ゆうてんじ)を好きになったわけ
閑静なまち、祐天寺。ひっそりした雰囲気の中で、ふと落ちつくこの感じ、気持ちがいい。祐天寺で地域活動する「祐天寺駅周辺の魅力を発信する会」、「ゆ〜マガ」、「HANATOMO YUTENJI」は、どの活動もユニーク。何より皆さん、自分の「好き」に素直。なぜ祐天寺が好きなのか、そのわけを聞いてみました。
〔祐〕祐天寺駅周辺の魅力を発信する会
〔H〕HANATOMO YUTENJI
〔ゆ〕ゆ~マガ
・よしとさん
〔祐〕〔H〕〔ゆ〕
3団体の代表。祐天寺で生まれ、地元愛にあふれる。自称祐天寺愛No.1。
・えりなさん
〔祐〕〔H〕〔ゆ〕
札幌で過ごした後、祐天寺へ。ゆ~マガでは講師兼冊子デザイナーを担当。
↑ご夫婦で活動中!
・平田さん
〔祐〕〔H〕
主にHANATOMO YUTENJIで活動。祐天寺の花や緑が大好き。
・小犬丸さん
〔祐〕
祐天寺で美術館を運営。祐天寺のコインランドリー探索が趣味。
・ペイさん
〔祐〕〔ゆ〕
中国出身で祐天寺を好きになる。まちに頻繁に通うほど愛着を持つ。
・藤井さん
〔H〕
学生時代から何かと縁があった元区民。Share Seedsで苗を提供。
・エンさん
〔ゆ〕
祐天寺でお店を経営。ゆ~マガではディレクター業もこなす多彩な一面も。
◆祐天寺駅周辺の魅力を発信する会とゆ~マガは、祐天寺を好きな仲間が自然と集まり、偶然の出会いで始まりました
ペイ:区で、祐天寺駅周辺のまちづくりを住民参加型で進める取り組みがあって、その中にまち歩き・みどりをテーマとした検討部会ができたんです。よしとさんを始めとする部会の有志が、祐天寺の情報を多くの住民に届けたいという想いから、祐天寺駅周辺の魅力を発信する会が発足したんですよね。
よしと:うん。持続性のある活動をやりたくて、組織みたいな存在が必要だなと。
エン:ほぼ同時期くらいに、祐天寺駅周辺の魅力を発信する会からゆ~マガができたよね。始めから、ゆ~マガみたいなこともしたいって考えてたの?
よしと:きっかけは、たまたまこどもローカルマガジン(以下コロマガ)という活動団体の代表のかたにお会いして。
コロマガは地域の子どもとクリエイターが地元を取材して、地元の魅力を記事にしたローカルマガジンを作成している。コロマガだったら、毎年の発刊で継続的な活動ができるし、かつ、えりなが地域で子どもたちとクリエイティブな取り組みをやりたがっていたので、それもマッチするなと。
◆緑を通じて人と人がつながれたらと思って始めたShare Seeds
平田:以前、緑をテーマにまち歩きを開催した時に、私がずっと大木の写真を撮っていたんです。写真をSNSに投稿するために、HANATOMO YUTENJIという名のインスタグラムをスタートしました。そしてShare Seedsのイベントをフリーマーケットと一緒に開催。こうした種の循環活動は、少しずつ活動の輪が広がっていると実感しています。
藤井:私もShare Seedsに参加しています。緑豊かなまちの実現に、少しでも関われたらうれしいですね。
◆私たちが祐天寺を好きなわけ
小犬丸:私は両親が祐天寺に住んでいた流れで住むようになって。家業も継ぐことになり生活の中心地に変わっていきましたね。
エン:都会に挟まれつつ、いいバランスのまちだな~って思いますね。人も多すぎず、少なすぎず。夜なんて本当に静か!
えりな:私は地元の北海道が大好きなのですが、実際住んでみると落ち着ける場所で。どんどんまちに惹かれていきました。
ペイ:まちが自分にすごく合っているなって思います。僕は中国出身でかつ民族的にマイノリティーなところがあったんだけど、祐天寺は居心地がよかった。自分のバックグラウンドに合うところが一番好きな理由かなと感じています。
平田:祐天寺は珍しい花を植えているかたが多い印象です。生活を楽しんでいる感じが伝わってきますよね。
藤井:まち歩きもその日の気分で散歩すればいいやって。そういうふうに楽しむまちなのかなと思います。
◆人々のつながりの希薄化。表面的なにぎやかさよりも深く共感するつながりを
よしと:僕は、大学生の時に高知県に行っていて、授業でまちづくりに取り組んでいました。それで祐天寺に帰ってきたら、昔あった大人神輿(みこし)のなり手がいなくて子ども神輿だけになるとか、少しまちの衰退を自分なりに感じたんです。自分たちが気づかないうちにいつの間にかなくなっちゃいそうな怖さがありました。でも、人がいないわけではなくて「見えていない、つながっていない」っていうことなのかなと。だから、SNSで掲示板の情報をシェアするとかゆるーく気軽に地域活動に参加できる仕組みがあれば、祐天寺らしいまちづくりができるかなと思ったんです。
小犬丸:私はその活動のおかげで、助かったことがありましたよ。地域活動に加わる前は、周辺の情報には疎い方でした。発信を見て、「あそこにお店ができた」とか知れたの。その後、活動に加わって、自分の中の祐天寺が拡張していくのを実感しました。
ペイ:あと、自分の「好き」に素直な人たちでにぎわってほしい気持ちがあるかな。まちの良さを知り、共感できる人同士がつながることが大事だと思います。
◆そのままのまちを、見つめて、動く。変わっていく日々を、受けとめながら。
エン:今後は行政や民間企業などと協力して活動を広げていきたいな。
小犬丸:住民の声も非常に大事。生活者の目線を常に持って過ごしていきたいです。
よしと:まちの変化を知らずに過ぎていくのではなく、認識した上で咀嚼(そしゃく)していきたい。あとは、もっとまちの可視化を進めていきたいな。人だったり、お店だったりの魅力を発掘していって、つながって見える、そんなまちが理想です。
えりな:そうだね。大人と子どものつながりも創出していきたいな。子どもたちにも自分の好きを見つけてほしいです。
平田:HANATOMO YUTENJIで毎日の投稿を継続していきたいですね。もう一つ、この団体は距離感がすごく程よいというか、すごく心地いいんですね。なので、新しいかたがいらしても、皆さんと程よくつながれるといいなと思います。
藤井:無理なく長く続けられるっていうことを一緒にやっていきたいですね。
ペイ:祐天寺駅周辺の魅力を発信する会のメンバーも増やしていきたいです。
よしと:ぜひ、まずは気軽に僕たちに声をかけてほしいです。仕事や家族は、定年や自立などの理由でいつか離れる可能性がある中、最後に残るのは地域のコミュニティーだと思っていて。そこにいろんな人が集まり、起きる化学反応が、これからの地域の未来をつくっていくんだと感じています。
MEGURO+ めぐろTVでも取材しました!
※二次元コードは本紙をご覧ください
