スポーツ 学校部活動の選択肢を、もっと自由に。(1)

―フェンシングが切り開く、部活動の新しい可能性。―

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
「シブヤ部活動改革プロジェクト」に取り組む渋谷区スポーツ協会の阪野弘和さんに、フェンシングクラブでの活動や、フェンシングの魅力について伺いました。

フェンシング元日本代表・一般財団法人渋谷区スポーツ協会 阪野弘和(さかのひろかず)さん
「フェンシングを通じて、一人一人の「やりたい」を大切にできる環境をつくっていきたいです。」

◆部活動の選択肢を増やして、子どもたちの可能性を広げたい
◇自己紹介をお願いします。
阪野:フェンシング元日本代表で、現在は一般財団法人渋谷区スポーツ協会に所属し、活動している阪野弘和です。令和4(2022)年から、「シブヤ部活動改革プロジェクト」の一環としてフェンシングの普及活動に携わるとともに、「シブヤユナイテッドフェンシングクラブ」(以下「フェンシングクラブ」)の青山クラスで、小中学生の指導を行なっています。

◇「シブヤ部活動改革プロジェクト」の意義や、阪野さんが関わることになったきっかけを教えてください。
阪野:これまで、児童・生徒が部活動を決める際は、通っている学校にある部活動の中から選ぶのが一般的でした。そのため、本当はやりたい部活動があっても、他の部活動を選ばざるを得ないケースも少なくなかったと思います。このプロジェクトでは、学校の枠を超えた「地域クラブ」という形で部活動の場を区全体に広げることで、部活動の選択肢を増やすことができるようになりました。一人一人の「やりたい」「やってみたい」という思いを大切にし、新しい出会いや体験を通じて児童・生徒の可能性を広げることができる点が、大きな意義だと感じています。また、部活動を地域展開することで、これまで指導を担ってきた顧問の先生の働き方改革につながる側面もあります。私自身、学生時代に熱心に指導してくれた顧問の先生の姿が強く印象に残っていますが、今振り返ると、相当な負担があったのではないかと思います。児童・生徒にとっても、先生にとっても、より良い環境をつくり出すこの取り組みに、少しでも貢献できればと考え、「シブヤ部活動改革プロジェクト」に関わるようになりました。

◇フェンシングクラブでは、どのような活動を行なっていますか?
阪野:大きく分けて、「指導」と「普及」の二つの活動を行なっています。指導では、私自身の競技経験を生かし、青山クラスで講師を務めています。対象は区内の小中学校に通う小学5年生から中学3年生までで、火曜日・木曜日の放課後と土曜日に、1回2時間ほど、青山キャンパスで活動しています。地域交流センター代々木の杜で開催している代々木クラスもあり、参加者は都合に合わせて選ぶことができます。年齢や通っている学校が異なる児童・生徒が集まるため、普段の学校生活とはまた違った交流が生まれています。こうした交流の中で、互いに刺激を受けながら成長できる点は、地域クラブならではの魅力だと思います。また、普及活動としては、区の施設などを活用したフェンシング体験会を実施しています。実際に防具を着けて剣を持つ体験を通じて、フェンシングを知らない子どもたちに競技の魅力を知ってもらい、親しみを持ってもらえたらうれしいです。

◇体験会での子どもたちの反応はいかがですか?
阪野:「剣を持ててうれしい」「意外と重い」「ランプが光るのが面白い」など、素直な反応が多いですね。一昨年のパリ2024オリンピック競技大会をきっかけにフェンシングに興味を持つ子どもも増え、観戦を通して芽生えた「やってみたい」という気持ちが、体験会での「楽しかった」という実感につながっていると感じています。