文化 大好きなピアノと共に、音楽の魅力を伝えたい。(1)

―多彩な音色を紡(つむ)ぐピアニストを目指して。―

■しぶや区ニュース×渋谷のラジオ 渋谷のラジオで出張インタビュー
ピアニストとして活躍する区立神宮前小学校6年生の天野薫さんに、演奏活動やピアノの魅力、今後の目標などについて伺いました。

ピアニスト 天野薫(あまのかおる)さん
「幅広い楽曲に挑戦して、素敵な音楽を届けられる演奏家になりたいです!」

[天野薫さんプロフィール]
2013(平成25)年生まれ。故杉谷昭子氏、松嶋知香氏に師事。2023(令和5)年、デビューリサイタル開催。「第48回ピティナ・ピアノコンペティション」Pre特級銅賞、「第12回ヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japan」グランプリなど、数多くのコンクールで入賞。スイスやイタリアなどの海外公演にも出演。これまでに仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演し、今後、東京フィルハーモニー交響楽団や新日本フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団などとの共演も予定している。

◆舞台はいつも緊張するけれど、楽しさでいっぱい
◇自己紹介をお願いします。
天野:ピアニストの天野薫です。3歳から渋谷区に住んでいます。4歳でピアノを始め、現在は、コンクールやコンサートなどで演奏活動をしています。

◇7年6月に開催された「第9回仙台国際音楽コンクール※」ピアノ部門に史上最年少で出場し、第3位および聴衆賞を受賞されたそうですね。受賞が決まった時はどのような気持ちでしたか?
天野:まさか自分がファイナルまで進めるとは思っていなかったので、本当に信じられない気持ちでした。20代の出場者が多かったのですが、皆さんに温かく接していただき、演奏前には「緊張する!」「私も!」と笑い合ったことをよく覚えています。演奏については、自分の力を十分発揮できたと思った曲もあれば、少し悔しさの残る曲もありましたが、どの舞台でも聴いている皆さんが温かい拍手や歓声をくださって、とても感動しました。皆さんの応援のおかげで、最後まで弾き切ることができたんだと思います。あの舞台に立つことができて、本当にうれしかったです。

※3年ごとに開催されている国際的なコンクール。ピアノ部門・ヴァイオリン部門の2つの部門があり、それぞれ予選・セミファイナル・ファイナルの3段階で審査が行われる。

◇舞台で演奏に臨む時は緊張していますか?
天野:はい、毎回とても緊張するので、大好きなチョコレートを食べて緊張をほぐしています。緊張のあまり、「もうピアノは弾かない!」と思ってしまうこともありますが、本番直前になると、不思議と「やるしかない!」と気持ちが切り替わるんです。そして舞台でピアノを弾いている時は、楽しさでいっぱいになります。気持ちが乗りすぎて、つい体が揺れてしまうのが、悩みでもあります。

◇ピアノを始めたきっかけを教えてください。
天野:4歳の時に、初めての習い事として始めました。小さい頃から歌うことが好きだった私を見て、両親が勧めてくれました。先生とのレッスンが楽しかったので、レッスンの日がいつも待ち遠しかったです。

◇演奏家になることを意識したのは、いつ頃ですか?
天野:実は、「演奏家を目指そう」と意識したことはありませんでした。小さい頃からピアノがいつもそばにあったので、今ではピアノを弾かないことは考えられないですし、大好きなピアノをこれからもずっと弾き続けたいと思っています。4歳の頃に、先生の勧めで初めてコンクールに出場しました。私はよく覚えていないのですが、初舞台は笑顔で演奏していたと聞いています。コンクールでは演奏後に講評をいただけるので、自分では気付かなかった点を学ぶことができて、とても勉強になります。

◇普段はどのくらい練習していますか?
天野:平日は3~5時間程度で、まとまって時間が取れる休日は、もう少し時間を取っています。本番前は、一日中ピアノを弾くこともあります。レッスンでは、先生から難しい課題をもらって、むちゃ振りだと感じることもありますが(笑)、課題を克服できた時は、大きな達成感に包まれます。まだ手が小さくて片手では届かない和音もあるため、先生と相談して指使いなどを工夫しながら練習しています。

◇好きな作曲家や楽曲を教えてください。
天野:好きな作曲家はたくさんいますが、特に好きなのはモーツァルトで、楽曲は『ピアノソナタ第10番ハ長調』がお気に入りです。キラキラと輝くような曲で、弾いても、聴いても、楽しい気分になります。モーツァルトは、聴く人を楽しませたり、驚かせたりすることがとても好きな人だったと思うので、私もモーツァルトの気分になって、楽譜に書かれた音の強弱記号などを少し大げさに表現して弾いてみることがあります。

◇ピアノやクラシック音楽のどのようなところに魅力を感じますか?
天野:楽譜を読んで自分なりに楽曲のイメージを膨らませたり、先生のアドバイスを受けながら表現したりしていると、まるで作曲家と会話をしているような気分になれるところが楽しく、魅力だと思っています。またピアノは、弾き方次第で音色や音の大きさを自由自在に変えることができ、ピアノ本体や演奏会場、演奏者によっても違う表現になるところも面白いです。たくさんの作曲家が残してくれた素晴らしい作品を、私なりの表現で皆さんに届けたいと思っています。