スポーツ 見て、感じる デフリンピック~東京2025デフリンピック
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- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都中野区
- 広報紙名 : なかの区報 2025年11月20日号
11.15(土)~26(水)
デフ(Deaf)とは、英語で「耳がきこえない」という意味。デフリンピックは、「耳のきこえない·きこえにくい」アスリートたちによる、もう一つのオリンピックです。東京を中心に11月26日まで開催されています。
今号では、大会の魅力や手話言語通訳者の方と聴覚障害のある方の声を紹介します。
■数字で知るデフリンピック
◇デフリンピックとは
パラリンピックが身体や知的など、さまざまな障害のある選手を対象としているのに対し、デフリンピックは、「きこえない・きこえにくい」方を対象としたオリンピックで、4年に1度開催しています。
◇第1回から100周年を記念する大会
パラリンピックより36年も早く始まった歴史ある大会。日本では初開催です
◇参加する国・地域70-80か国・地域
さまざまな言語や文化をもつ国や地域が集まります
◇参加選手約3,000人
スタッフを含めると約6,000人が参加します
◇前回の日本のメダル30個
金12個、銀8個、銅10個の過去最多のメダルを獲得しました
◇21競技
競技一覧:陸上競技/バドミントン/バスケットボール/ビーチバレーボール/ボウリング/自転車競技(ロード)/自転車競技(マウンテンバイク)/サッカー/ゴルフ/ハンドボール/柔道/空手/オリエンテーリング/射撃/水泳/卓球/テコンドー/テニス/バレーボール/レスリング(フリースタイル)/レスリング(グレコローマン)
■競技中の注目ポイント
◇POINT 1 競技中は補聴器などの聴覚補助機器の使用は禁止
全ての選手が「きこえない」という同じ条件の下で競い合います。
◇POINT 2 独自の競技スタイル
手話言語や視覚的な合図を活用した独自の競技スタイルが展開され、ルールや運営にも工夫が見られます。
◇工夫の例
・審判の合図は旗やジェスチャーで
・ランプでスタートを知らせる
■総合体育館でテコンドー競技を応援しよう
中野で開催
観戦無料!
日程:11月22日(土)~24日(月・休)
☆時間などについて詳しくは、区HPをご覧になるか、スポーツ活動係へ問い合わせを
会場:総合体育館(新井3-37-78)
☆館内は土足禁止。室内履き持参
TOKYO 2025 DEAFLYMPICS公式YouTube(ユーチューブ)チャンネルで全ての競技を配信します
問合せ:スポーツ活動係/7階
【電話】3228-5586【FAX】3228-5662
■中野区ゆかりの選手インタビュー
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デフハンドボール日本代表
大西 康陽(おおにし やすあき)さん
中野区在住。生まれつき耳が聞こえない。幼少期から「聞く」「話す」訓練を重ね、現在は補聴器を使いながら主に口話でコミュニケーションを取る。
デフハンドボール日本代表では、唯一の左利きコートプレイヤー。気持ちのこもった鋭いシュートと粘り強い守備で攻守の要を担う。
◇デフハンドボールとの出会い
小さいころから体を動かすことが大好きで、いろいろなスポーツに親しんできましたが、大学3年生の時に難病が発覚。これまで当たり前のように続けてきたスポーツに大きな壁を感じるようになり、競技とは離れていました。
でも、社会人になってから、ボランティアとしてデフハンドボールサークルに関わる機会があって。仲間と一緒に過ごすうちに、自分も選手としてプレーしたいという思いが強くなっていきました。そんな時、初めてハンドボールのプロリーグの試合を観戦。全力で熱いプレーをする選手たちの姿に心が動かされ、選手になることを決意しました。
◇音のない世界での戦い方に注目
今回のデフリンピックでは、手話言語通訳者がいたりタイムアウトの回数が異なったりといった特別なルールはありますが、基本的には普通のハンドボールと同じ。でも、音が聞こえない分、審判やボール、相手の動きなど、全てを「目で見て」判断して動きます。プレー中に視野を広く保ち、どれだけ多くの情報をキャッチできるかが、勝負のカギです。
また、チーム内のコミュニケーションは、基本的に手話やサイン。音のない世界だからこそ生まれる駆け引きや選手間の連携プレーにぜひ注目してください。
◇全員が「主役」 肌で感じて楽しんで
障害や病気が原因でスポーツに壁を感じている方が、僕のプレーをきっかけに一歩を踏み出してくれたらうれしいです。今回のデフリンピックは、身近な場所でデフスポーツに触れられる貴重な機会。中野区でもテコンドーの競技が開催されますが、競技に詳しくなくても、実際に肌で雰囲気を感じてみてください。
選手やスタッフだけじゃなく、観客のみなさんもデフリンピックの「主役」。100周年を記念する特別な大会を一緒に盛り上げましょう!
次ページでは、手話言語通訳者の方や聴覚障害のある方の声を紹介します
