スポーツ 【特集】スポーツって楽しい(1)ー体力や技術を高めるー
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- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年3月第1金曜日号
◆世界で戦う
・レスリング 佐藤莉桜(りお)さん(中学校1年生)
昨年7月にタイで開かれた、レスリングU15アジア選手権。莉桜さんは日本代表チームの一人として出場し、銀メダルを獲得した。普段は、東京五輪レスリンググレコローマンスタイル・バンタム級金メダリストの、市口政光さんが代表を務める、東海ジュニアレスリングクラブで練習に励んでいる。
◇目標に向かって突き進む
父がレスリングをしていたのがきっかけで、3歳の時に父と三つ上の兄と一緒に東海ジュニアレスリングクラブの練習に訪れた莉桜さん。「マット運動って楽しい」と、クラブに入ることを決めた。
・地道に練習を積む
初試合は4歳のとき。「試合には負けてしまったけれど、楽しくて試合中も負けた後もずっとにこにこしていたことを覚えている」と、ほほ笑む莉桜さん。けれど、「『次は勝ちたい』と思った」と続ける。幼いながら、どこかで悔しい思いがあったのだろう。練習を積み重ねていくことで勝てるようになったと話す。
練習は週3回、1回当たり2~3時間。ジョギングから始まり、サイドステップ、ストレッチ、ジャンプなどのウオーミングアップで体を慣らす。その後、前転・後転・側転・ヘッドスプリング・ハンドスプリング、受け身などで息を上げていく。それを終えると、技の確認や研究に入る。ここからはペアになって実践に近い形での反復練習。最後は試合形式のスパーリングをする。練習以外に、家で懸垂をしたりランニングをしたりもすると言う。
・得意技に磨きを
莉桜さんの得意技は、立ち技では片足タックル、寝技ではローリングだ。片足タックルは相手の体勢を崩して背後を取りやすくなり、その後の試合展開も変わるため、攻撃の要といえる。ローリングは背後から相手の腰をロックし、横へ90度回転することで得点を獲得できる。さまざまな技を練習するが、得意な技をよりかけやすくするために、さらに磨きをかけているそうだ。
・優勝して世界へ
莉桜さんは、昨年4月に東京武道館で開かれた「2024年度 JOCジュニアオリンピックカップ ジュニアクイーンズカップレスリング選手権大会」のU15の部33キログラム級に出場した。アジア選手権大会の代表選考も兼ねている大会だ。「アジア選手権に出るために絶対優勝する」という強い気持ちを持って臨んだ。
決勝戦の相手は、これまで同じ階級で対戦することも多かったが、なかなか勝てなかった。莉桜さんはチャレンジャーの気持ちで挑んだという。そのおかげで気負わずに試合に臨めたと振り返る。結果は、相手の両肩をマットに完全に押さえ付ける、フォール勝ち。金メダルに輝いたと同時に、アジア選手権への出場権を手にした。優勝してうれしい反面、世界への挑戦に緊張や不安を感じたそう。アジア選手権までの練習には一層力が入り、自主練の懸垂やランニングなどもいつも以上に頑張ったと話す。
・初めての世界挑戦
7月にタイで開かれたU15アジア選手権。中学生まではアジア大会が1番大きな大会だ。出場した33キログラム級は5人総当たり戦。「外国の選手と対戦するのは初めてで、どんな技をかけてくるのか緊張した。試合前の練習で隣にいたウズベキスタンの選手が『ズバン、ズバン』と激しい音を立てて練習しているのを目の当たりにして、少し怖くなったけれど、試合が始まると集中できた」。初戦でインドの選手には敗れたものの、モンゴル・ウズベキスタン・カザフスタンの選手に勝ち、銀メダルに輝いた。「海外の選手は不利な体勢からでも技を仕掛けてくるので、すごくやりにくかった。自分に不利な体勢から攻められると今までは諦めてしまいがちだったけど、この経験で粘ることを学んだ」と、自分に足りなかった部分を莉桜さんは見つめ直す。
・まずはアジアで優勝 その先に…
「もう一度アジア大会に出場して、優勝したい。そして、高校生になったらさらに大きい大会に出て、オリンピックを目指したい」と力強く話す。今年から一つ階級も上げ、下からはレベルの高い中学1年生も入ってくる。莉桜さんの挑戦はこれからも続く。
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