子育て [特集]知っておきたい身近な支援 子育ての味方(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年4月第3金曜日号
子どもが風邪を引いたけど仕事で休めない・帰りが遅くて子どもの迎えの時間に間に合わない……など、もしもの時に頼れる子育て支援があります。今号では、事前登録で安心して利用できる支援を紹介します。
◆ここいこ すまいるるーむ
◇病児・病後児の保育
市内には、病気中または病気の回復期の子どもを預かる病児保育室と、回復期の子どもを預かる病後児保育室があります(下記)。昨年11月に開所した病児保育室「ここいこ すまいるるーむ」の皆さんに話を聞きました。
「ずっと病児保育をやりたいという思いがありました」と話す、ありがとうみんなファミリークリニック平塚の院長、小宮山学さん。
研修医時代に病児保育を実際に経験し、平塚で同医院を開業する前から温めてきた思いでした。小宮山さんは地域への幅広いサービスを提供する「家庭医療」が専門です。「働きながら子育てをするお父さん・お母さんをサポートすることも、平たくいろいろな助けができる家庭医として、大きな役割だと感じています」。思いが実を結んだのが昨年11月。病児保育室「ここいこ すまいるるーむ」を同医院の側(そば)にオープンさせました。
・くつろげる空間
市内外の病児保育室の見学や、コンセプトの話し合いを重ねて整えた保育・医療の体制。同医院の看護師、滝口泉さんは「病気や当日の病状、年齢などに応じ、4部屋に分かれて過ごします」と説明します。施設の中央に立つと、各部屋の中まで見渡せるようになっています。自然光が入り、隣接する部屋の中も見えるので、中にいても閉塞(そく)感がありません。「子どもにとって居心地のよい空間になるように、施設全体の明るさや造り、壁紙の色などをみんなで決めていきました」と工夫を話します。
・看護師がすぐに対応
同病児保育室には、3人の保育士が常駐し、各部屋を担当しています。子どもに何かあった時、保育士が看護師に連絡できる体制が整っています。「医院が近くにあるので、電話をもらったら数分で駆け付けられます。医師にもすぐ相談できるのは強みです」と滝口さん。「子どもが病院にいるという気持ちにならないように、保育室内では医療行為をしません。医師と看護師は保育士のサポートに回って、子どもがリラックスできる場所にしたいと思っています」と続けます。保護者の安心につながるよう、小まめに連絡をし、お迎えの時には丁寧な説明も徹底しています。
◇新たな選択肢として
同病児保育室では、11月のオープン以降、少しずつリピーターも増えています。利用者からは「子どもが楽しかったと言っていて安心した。次があったらまた頼りたい」という声が届いています。
しかし、自分たちだけで何とかしようと、頑張る保護者が多い印象があるそう。「家族の誰かに仕事を休んでもらったり、祖父母に預かってもらったりするのと同じように、一つの選択肢として、もっと気軽に病児保育を利用してもらいたいです」と保育士の栁田(やなぎだ)紀子さんは話します。「施設内の見学は随時受け入れているので、気軽にお問い合わせくださいね」。
・無理せず頼ってほしい
子どもの体調は「熱が下がったからいつも通り」とはいきません。保育園などは集団生活の場。基本的にみんなが同じ過ごし方をします。せっかく登園しても、再び体調が悪化したら、園は保護者にお迎えの連絡をせざるを得ません。そのため保育園などでは、熱が下がってから1日は休むことを推奨しています。厚生労働省の「保育所における感染症ガイドライン」に沿ったルールです。栁田さんは「病児保育室では家と同じように、子どもたちは寝たい時に寝て、遊びたい時に遊べます。お父さんもお母さんも無理をせず、病児保育室をぜひ頼ってください」と呼び掛けます。
・医師連絡票を忘れずに
各病児・病後児保育室を利用するには、「医師連絡票」が必要です。子どもを病院に受診させた日に仕事を休めたとしても、すぐに治るのかは分かりません。「仕事が休めない、冠婚葬祭がある、保護者も体調を崩してしまった……などの理由で、連日、病児の面倒を家で見られないことがあると思います」と栁田さん。「子どもの病状などを書いた医師連絡票は、最長で7日間有効。受診時に医師に伝えて、もらっておくと安心ですよ」と続けます。
どこにいても、どんな時でも成長していく子どもたち。病児保育室は、ケアをしながら成長を見守る保育の場として、病児・病後児も保護者も安心できる環境が整っています。もしもの時の準備として、利用方法などを確認しておきませんか。
○事前登録で予約をスムーズに
(1)事前準備
病児保育ネット予約サービス「あずかるこちゃん」で、アカウントを作成し利用してください(左画像)。右の2次元コードからもアクセスできます。
※2次元コードは本紙をご覧ください。
(2)施設の利用登録
利用したい施設(下記)を選び、登録します。きょうだいで利用する場合は、子どもごとに登録が必要です。
(3)予約
利用希望日の前日午前7時から「あずかるこちゃん」で予約(キャンセル待ち予約も)を受け付けます。メールまたはLINEで利用可否を連絡します。キャンセルは、分かった時点(期限は当日午前6時30分まで)でしてください。
◇医師連絡票がないと予約を確定できません
受診時に、病児保育または病後児保育の「医師連絡票」を発行してもらい、写真に撮り「あずかるこちゃん」に必ずアップロードしてください。発行料金は医療機関によって異なります。医療機関によって連絡票がない場合もあります。市ウェブから印刷し、持参して受診すると確実に発行してもらえます。
●市内の病児・病後児保育室
市内在住または保護者が市内在勤・在学の、生後6カ月児~小学生など、利用には条件があります。詳しくは、市ウェブ(2次元コード)をご覧ください。
※2次元コードは本紙をご覧ください。
日時:祝日・年末年始を除く、平日午前7時30分~午後6時30分。
定員:3人
費用:2,000円(別途給食・おやつ代、希望者はおむつ代も)
対象:市内の病児・病後児保育室
○病後児保育室なでしこ(宮の前4-13)
日時:祝日・年末年始などを除く、平日 午前8時~午後6時
定員:6人。
費用:2,000円(別途給食・おやつ代、希望者はおむつ代も)
○麦・もんもん病児保育室(松風町23-51-1)
日時:祝日・年末年始を除く、平日午8時30分~午後6時30分
定員:6人
費用:2,000円(希望者は別途おむつ代も)
給食・おやつは利用者が持参。
○病児保育室 ここいこすまいるるーむ(岡崎238-1)
日時:祝日・年末年始を除く、平日午前8時30分~午後6時30分
定員:6人
費用:2,000円(希望者は別途おむつ代も)
給食・おやつは利用者が持参。