- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県平塚市
- 広報紙名 : 広報ひらつか 令和7年4月第3金曜日号
◆ファミリー・サポート・センター(追分1-43)
◇信頼できる支援会員
ファミリー・サポート・センターでは、子育ての援助を受けたい方(依頼会員)と、援助をしたい方(支援会員)をつなぎます。支援内容は依頼会員によってさまざま。今号では、支援会員2人の活動を紹介します。
「特別なことは何もしてい
ません。佳佑くんが私と過ごすのは学校を頑張ってきた後なので、くつろいでもらえるようにしています」と話す、支援会員の髙木(たかぎ)弥生さん。会員歴は21年。たくさんの依頼会員の希望に寄り添い続けています。
野本佳佑さんの「預かり支援」は、小学校1年生から6年間続きました。毎週水曜日、夕方から髙木さんの自宅で預かり、保護者から連絡が来たら、佳佑さんの自宅に送り届ける支援です。3月12日、最後の預かり支援を迎えた日。佳佑さんはリラックスして、「いつも通り」の時間を過ごしていました。
・事前に不安を解消する
支援が継続されるのは、依頼会員との信頼関係があってこそ。支援を始める前の打ち合わせには、必ずファミリー・サポート・センターのアドバイザーが立ち会います。佳佑さんの預かり支援を始める時は、実際に過ごす髙木さんの自宅に、佳佑さんと両親、アドバイザーが集まったそう。依頼会員で佳佑さんの母、野本真樹さんは「『初めまして』の時から佳佑が安心していたのと、相談に答えてくれる髙木さんの笑顔に『この人なら大丈夫』と不安はなくなりました」と当時を振り返ります。
・子の成長の機会になった
佳佑さんは髙木さんの家族と一緒に過ごす日もあったそうです。「佳佑はダウン症児で言葉はうまく話せませんが、一生懸命ジェスチャーでコミュニケーションを取ろうとします」と真樹さん。「髙木さんの娘さんやお孫さん、皆さんと関わる中で、表情が豊かになったと思います」と話します。家族や学校以外の安心できる環境で良い刺激を受けて、佳佑さんが成長したことを喜んでいました。
・出会えて良かった存在
支援を知る前の真樹さんは、「夫婦で遅くまで仕事をしているので、今まで通り仕事はできないのでは……」と不安があったそう。「預かり支援を利用して良かったです。髙して任せられました。佳佑も毎週楽しみにしていたので、可能であれば中学生でもお願いしたいくらいでした」。
一方で髙木さんは「長い期間を一緒に過ごせて、本当にうれしく思います」と6年生で終わりを迎えた、佳佑さんや佳佑さんの家族との時間を感慨深そうに話します。「支援会員は少しでも自分が何かの助けになれたら……という思いの方ばかりです。地域の身近な存在として支援を利用してくださいね」と、未来の依頼会員に語り掛けます。
○依頼に応じて会員同士をマッチング
利用には事前の会員登録が必要です。希望する援助内容に応じて、ファミリー・サポート・センターが支援会員を紹介します。同センターのアドバイザー立ち会いの下、支援開始前に依頼会員と支援会員の事前打ち合わせがあるので安心です。支援内容は保育所・幼稚園への送迎や、前後の預かりなど。
依頼会員:市内在住・在勤・在学で、0歳児〜小学校6年生の保護者
支援会員:市内在住で、同センターが開く講習会を受けた20歳以上の方
問い合わせ:ファミリー・サポート・センター
【電話】34-7844
◇もっと気軽に利用して
支援内容は預かり支援に限りません。保育所や学校、習い事への送迎をしたり、保護者が病院へ行く間、近くの公共施設やショッピングモールで過ごしたりとさまざま。依頼会員が必要としている支援を同センターの職員が聞き取ります。支援会員歴8年の小林史子さん(左写真)は、「困り事にはできる範囲で助けになりたいと思っています」と話します。
小林さんは都合が合う日にさまざまな依頼を引き受けていますが、最近は送迎が多いそう。現在、1年以上継続して2人の会員から送迎の依頼を受けています。「ママと一緒にいられない時間を、『寂しい』ではなく、少しでも『楽しい』で上書きできるように心掛けています」とほほ笑みます。
・つながりできる安心感
依頼会員に安心してもらえるように、小まめな連絡・報告を欠かさないという小林さん。「困った時に頼れる存在がいるだけで、気持ちが楽になると思うんです」と話します。「自分だけで何とかしなきゃと気負わずに、地域のコミュニティーや人とつながることで安心できます。私自身がそうだったので」とにっこり。「子育ての困り事は声に上げてみてください。支援会員に限らず、子育ての味方とつながるきっかけになると思いますよ」。