- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県鎌倉市
- 広報紙名 : 広報かまくら 2026年1月1日号
■鎌倉から出土する馬の骨と馬具
あけましておめでとうございます。今年の十二支「午(うま)」にちなみ、鎌倉の遺跡から出土する「馬」について、ご紹介します。
鎌倉婦人子供会館の北側、小町大路に面する調査地点では、鎌倉時代後期の地層から、ほぼ全身が残る馬骨が溝に投棄された状態で出土しました。由比ヶ浜南遺跡(現在の県営地下駐車場)から出土した鎌倉時代の馬の骨格も同じぐらいの体高(馬の背の高さ)で、140センチ程度と推定されています。現代のサラブレット(競走馬)に比べるとずいぶん小柄な馬であったことが分かっています。
鎌倉時代、馬は運搬や騎乗、合戦などで活躍していたと考えられますが、死んだ後は、皮や骨が貴重な資源として利用されていました。例えば馬の中手骨(ちゅうしゅこつ)・中足骨(ちゅうそくこつ)は笄(こうがい)と呼ばれる髪を結うための道具に加工され、四肢骨(ししこつ)は馬具の部品である野沓(のぐつ)や辻具(つじぐ)などに加工されていました。これらの骨製品は、現在の長谷周辺の海岸部から多く出土しており、この辺りが鎌倉時代の職人の活動地域であったと推定されています。
当時の鎌倉は「武家の都」と呼ばれるように武士が主役でしたが、その相棒であった馬は、遺体になってもなお、利用されていたことがうかがわれます。
これらの出土品の一部を現在、本庁舎1階ロビーで展示しています(3月までを予定)。ご来庁の際には、ぜひご覧ください。また「鎌倉市出土品データベース」では、骨製品に限らず、市内で出土したさまざまな遺物のデータがご覧いただけます。
[文化財課]
市保管の埋蔵文化財を公開中(画像あり)
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