- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県厚木市
- 広報紙名 : 広報あつぎ 第1462号(2026年1月1日発行)
今回の新春対談では、市内の高校を卒業し、長きにわたって俳優として活躍する名取裕子さんをお迎えしました。厚木で過ごした青春の日々やかけがえのない友とのつながり、市制70周年記念映画への思いなど、これまでの歩みと未来に込める思いを伺いました。
厚木市長
山口 貴裕
心に寄り添うあつぎ愛あふれるまちに
俳優
名取 裕子
心が温まる「みんながいるまち」
市長:明けましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、輝かしい新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。今回は長きにわたり俳優として活躍し、厚木市にゆかりがある名取裕子さんをお招きしてお話を伺っていきます。
◆厚木の思い出
市長:厚木高校出身とお聞きしていますが、現在の厚木市の印象などをお聞かせください。
名取さん:高校に通っていた当時と比べると、大きく発展したなと感じます。都会になり人も増えたし、駅前の雰囲気も様変わりしました。でも、ちょっと足を伸ばすと、自然がいっぱいあって人がゆったりしているところは、当時と変わらないぬくもりを感じます。温泉などの施設もあり、都会と自然が両立している良いまちだなと思います。都心から近いのに、ゆったりと過ごせるまちは意外と少ないですよね。
市長:厚木高校に通い3年間を過ごした中で、学生時代によく行った場所や思い出の場所はありますか。
名取さん:花火大会はみんなで見に行きました。学校行事の健脚大会で七沢方面に向かって歩いたことも覚えています。学校終わりに「勉強しよう」と、青少年センターに行っては卓球をして、お腹が減ったらたぬきうどんを食べて帰る。勉強をせずに、みんなで楽しく遊んでいたことばかりが思い出として残っています。
市長:厚木に来られたのは久しぶりですか。
名取さん:同級生がいっぱい厚木にいて、今でもよくクラス会などで来ています。地元で頑張っている人たちに会うと元気をもらえますね。
市長:当時の友人たちとは今でも交流が続いているのですね。
名取さん:はい、そうです。年に一度は集まっていて仲が良いです。厚木の風土がそうさせるのかもしれませんね。クラスのグループチャットがあると周りに話すと、びっくりされます(笑)。
市長:私も先日、同窓会を開いたばかりなので共感できます。厚木に住んでいる人や離れている人からも、「このまちが好き」と言ってもらえるとうれしい気持ちでいっぱいになります。名取さんにとって、厚木はどんな存在ですか。
名取さん:そうですね。友達の家みたいな感じです。私も青春をこの地で過ごしたので、「みんながいるまち」という感じがします。
◆友に支えられた俳優業
市長:俳優を目指したきっかけを教えてください。
名取さん:実は目指していませんでした(笑)。大学に進学後、広告研究会に入り、学内で化粧品会社のコンテストがあるので、出場者を探していました。ですが、なかなか見つからずそこに人数合わせで参加したところ、なぜか勝ち残って(笑)。
市長:そんな経緯があったとは知らなかったです。
名取さん:厚高のクラスから8人が同じ大学に進学しました。俳優をやりながら大学を卒業できたのは、講義のノートを取ってくれたり、試験に出そうな問題を一緒に勉強してくれたりと、仲間の支えがあったからです。
市長:心強いですね。まさに名取さんの原点は、高校時代にあるという感じですね。
名取さん:はい。人への思いやりや優しさなど人生の根幹になるところを学びました。母を早くに亡くしたのですが、その頃に出会った友達やその家族たちが優しくしてくれて、お正月に着物を着せてくれたり、お弁当を一緒に作ってくれたりもしました。当時受けた気配りと温かさみたいなものは、大人になってから改めて分かるようになりました。
市長:その経験が今の名取さんの礎になっているのですね。輝かしい活躍の中で、苦労もあったかと思います。それを乗り越えてきた秘訣(ひけつ)があれば教えてください。
名取さん:特別なことはありません。誰かに喜んでもらって笑顔が見られることや誰かの役に立つことってうれしいですよね。市長も市民の皆さんが笑顔で暮らせるように考えていると思うのです。やっぱり私も、笑顔になって喜んでもらえるのがうれしいなって思います。
市長:映画やドラマでの活躍はもちろん、最近はクイズ番組にも出演していますよね。番組ではいつも、「残ってくれ、残ってくれ」って思っています(笑)。
名取さん:早押しは押せないの(苦笑)。クイズは本当に難しいです。受験勉強の時よりも勉強しているのに全然覚えられなくて。でも同世代の方が私の姿を見て、自分たちもまだまだ頑張ろうって思ってくれたらうれしいです。
市長:名取さんは、朗読会も定期的に開催し、日本語の持つ力を多くの人に伝えていますよね。
名取さん:全国あちこちで朗読会を開いています。目で見て、耳でも楽しめるように三味線やピアノの音色を交え、歌い手や踊り手の方と一緒に作り上げています。見に来てくださった方の笑顔や拍手、笑い声を聞くのが、何よりのエネルギーになっています。
市長:厚木でもぜひ開催してもらいたいです。
名取さん:ぜひぜひ。こどもから大人まで、みんなに楽しんでいただけるものができたらいいですね。
市長:市としても文化芸術の聖地づくりを掲げています。私は「まちは人がつくり、文化芸術は人をつくる」と考えています。朗読をはじめとしたさまざまな活動を通して、市民の皆さまの感性を磨きながら、誇り高き「厚木人」を創出していきたい、そんな思いを持っています。
名取さん:素晴らしいですね。インターネットで何でも解決できる今の時代だからこそ、美術や音楽の面白さをじかに味わってほしいです。特にこどもたちは、幼い頃から豊かな感性を磨いてもらい、日本だけでなく世界の希望になってほしいと思います。
