しごと ざま つなぐ ひと

■支えられる福祉から、社会を支える福祉へ
就労継続支援B型事業所カエルワークス有限会社LC・ファクトリー代表取締役社長 佐藤洋行(さとうひろゆき)さん(48歳広野台在住)

福祉の力で地域を笑顔に変える挑戦を続け、人とのつながりを大切にしながら、座間市を拠点に新たな福祉の形を築いている。

生まれは相模原市の新戸。幼少期は田んぼでザリガニ釣りや用水路で遊んだ。相模川方面の田園風景と大山が調和した風景が好きで、ルーツとなっている。
20代の頃から地域活動に積極的で、座間市商工会青年部に長年所属し、地域との関わりも深い。父が営んでいたガソリンスタンドの閉業を機にリサイクル業を始めたが、転機となったのはダウン症の息子の誕生だった。福祉施設の見学を通じて、利用者の賃金の低さに疑問を抱き、自身の事業と福祉を結びつけた「カエルワークス」を2021年に設立。「支えられる側だった自分が、今度は支える側に回りたい」との思いから、地域と連携しながら利用者に高い工賃を支払う仕組みを作り上げた。座間市と提携した資源回収やリユース事業を通じて、かながわ福祉サービス大賞の優秀賞も受賞している。

さらに、リユース事業にとどまらず、座間市西部にコーヒー農園「カエルコーヒーファーム」構想を進めている。コーヒー豆栽培だけでなく、焙煎やその場でハンドドリップする体験など「観光資源」として地域の魅力につなげたいという。相模川を望む田園風景を背景に、人が集い、働き、学べる場所をつくりたい。そんな想いが根底にある。

「この事業所と出会えてよかった」という利用者さんの言葉が原動力となっている。人に恵まれ、地域とともに歩み、互いに支え合いながら、福祉の力で社会を動かす挑戦は続く。

▽カエルワークスの事業所
・ひばりが丘(ひばりが丘5-51-15)
・座間(入谷東3-56-12)