- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県新潟市
- 広報紙名 : 市報にいがた 令和7年11月16日号
小・中学生の不登校者数は年々増加しています。学校に行けなくなる理由はさまざまです。今号は、こどもが自分らしく生活できるようになるための取り組みを紹介します。
◆私が説明します
学校支援課 五十嵐
▽不登校のこどもはどれくらいいるの?
令和6年度に、全国の小・中学校の不登校者数は35万3970人に上り、12年連続で増加しました。新潟市でも増加していて、同年度は2301人でした。これは令和元年度に比べ2倍以上という数字になっています。
▽なぜ不登校に?
時代の流れと共に、学校だけでなく家庭や地域の在り方が多様化しています。集団での学校生活に慣れることができなかったり、SNSなどで24時間友人関係が続いて、ストレスから解放される時間がなかったりします。さまざまな要因が絡み合って、悩みや苦しみを抱えているこどもが不登校になっていると考えられます。

参考:文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
▽不登校になったらどうすれば?
不登校のこどもはさまざまな思いを持っています。ただ学校に行きたくない気分だから行かないというわけではありません。周りの大人は、ぜひこどもの気持ちに寄り添ってあげてください。焦らず、無理せず、休むことも大切です。「我慢してでも学校に行くのが当然」ではなく、「苦しいなら距離をとる、違う形で学ぶ」ことが認められています。新潟市では多様なこどもたちに応じた学びの場や相談先を用意しているので、ぜひ活用してもらいたいです。
◆一人じゃない! 自分らしく過ごせる場所
▽悩みや困り事がある…そんなときは スクールカウンセラーに話してみる?
-スクールカウンセラーとは?
スクールカウンセラー(SC)はこどもの心理について専門的な知識・経験を持ち、学校生活の不安や悩みの相談を受け付けています。
-SCに相談するには?
SCは1人で2~4の中学校区内の小・中学校を担当しています。相談を希望する場合は学校に申し込んでください。
『気軽に相談してください』
スクールカウンセラー 佐藤 千草さん
私は今、3つの中学校区で相談を受けています。相談内容は不登校に関するものが多く、学校生活や友人関係など一人一人がいろいろな悩みを持っていることを日々感じています。
こどもは悩みを一人で抱えてしまう傾向があると思います。他の人に自分の心の内を話すのはとても勇気が要りますが、話すことで気が楽になったり、次のステップにつながったりすることもあります。
学校生活は楽しいこともたくさんある反面、ストレスを感じる場面も少なくありません。ぜひ私たちに話してみてください。
-スクールソーシャルワーカーもいます
スクールソーシャルワーカーは、こどもや保護者の困り事に寄り添い、学校や福祉・医療機関と連携して問題の解決に取り組みます。
▽教室に入りたくない…そんなときは スペシャルサポートルームで過ごしてみる?
-スペシャルサポートルームとは?
不登校や不登校傾向のこどもが安心して小・中学校に登校できる、自教室とは別の教室です。勉強したりスタッフとおしゃべりしたりして自分らしく過ごし、周りと関わっていくための支援を受けます。「ふわふわルーム」や「さわやかルーム」など、学校によって呼び方はさまざまです。
-スペシャルサポートルームを利用するには?
学校に利用の希望を伝えてください。面談などをして、スペシャルサポートルーム(SSR)に行く方が良いと判断されれば利用できます。
※未設置の学校もあり。有無は学校に要問い合わせ
『自分のペースで過ごせます』
SSR見守りスタッフ 五十嵐 梨衣(りえ)さん
私が担当している小学校のSSRには、毎日こどもたちが自分のリズムに合わせて通室しています。勉強したり、工作をしたりして過ごしています。スタッフと一緒に自教室に行く作戦を考え、行ける日は途中から自教室に行きます。
春は自教室に行けなかったこどもも、SSRで自分のペースで過ごして心が安定し、今ではほとんど毎日行けるようになりました。
SSRでは無理に自教室に行こうとは言いません。自分らしくいられる場所を提供していきます。教室に行きたくない、行けないこどもの保護者は、選択肢の一つとしてSSRの利用を考えてみてください。
▽フリースクールもあります
学校に行きづらさを感じているこどもが、学習や教育相談、体験活動などをしている民間の施設です。

問い合わせ:学校支援課
(【電話】025-226-3299)
