文化 森の中の小さな美術館 弥彦の丘美術館だより

■企画展 木村直広 日本画展-青を辿る-
会期:8月23日(土)~9月28日(日)
開館時間:午前9時~午後4時30分(会期中無休)
入館料:大人(高校生以上)300円 小・中学生150円
作品解説会:
・8月31日(日)木村直広 氏
・9月21日(日)横山秀樹 氏(美術評論家)
いずれも午後1時30分~
ギャラリートーク:9月6日(土)午後1時30分 永吉秀司 氏(新潟大学准教授) 本田貴哉 氏(日本画家) 木村直広 氏

木村先生は1993年生まれで、新潟市在住の日本画家です。2017年~2025年日本美術院入選、2024年藝展新潟市長賞、2024年クルーズ客船飛鳥3.アート公募展グランプリ受賞、2025年県展未来賞受賞など、若手日本画家のホープとして活躍しています。企画展開催に向け、お話をうかがいました。

◇木村先生は、海の生き物をモチーフとして描いていますが、なぜでしょうか。
幼少期によく祖母と水族館に行きました。背丈の小さな自分が大きな水槽の前に立ち見上げると、優雅に泳ぐ魚が空を泳いでいるような不思議な感覚がして、鮮明な記憶として残りました。それから海の生き物が好きになり、作家として描くようになりました。

◇描く時、どんな工夫をしていますか。
例えば魚を描くときは、顔を可愛くすると絵が緩くなるので、ちょっと怖めにきりっとした感じで描いています。魚が泳ぐ周りには貝殻やヒトデを配置して、生き物がどんなところで暮らしているのか、見る人に想像してもらえるような構図にしています。魚の色も一色でなく、何種類かの色を点描して優雅さや美しさを表現しています。ひれの部分は、日本画の特徴を活かし、色を重ね塗りすることで下の色が透けるように描いています。

◇作家としての心構えと今後の目標を教えてください。
自分は器用なタイプではないので、描くことに時間をかけ、真摯に向き合い誠実に描くことが大切だと感じています。今は木製パネルに描きますが、屏風や掛け軸などに挑戦して、見る人が日々の生活に癒しを感じ、暮らしの中に溶け込むような作品を描けたらと思います。

日本画というと、花鳥画、美人画などをイメージする方もいますが、近年は自由な発想で描く作家が増えています。若い感性と独自の色彩感覚で描かれた木村先生の作品をご覧ください。
(聞き手 館長 髙島 徹)

問合せ:弥彦の丘美術館
【電話】0256-94-4875