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■経鼻弱毒生インフルエンザワクチンについて
坂町病院 小児科 今田 研生

今年は例年よりも早くインフルエンザの流行が始まっています。それに伴って、その予防接種に関する問い合わせも比較的多かったように思います。
令和5年3月にようやく経鼻弱毒生インフルエンザワクチン︵以下、経鼻生ワクチン︶の日本での製造販売承認がなされました。昨シーズンから一部医療機関での接種が始まりました。当院では今シーズンも見送っていますが、より多くの医療機関での経鼻生ワクチン接種が見込まれているようです。最大のメリットは従来の皮下注射による痛みを避けられる事ですが、昨年9月に日本小児科学会でもその使用に関する考え方が示されました。その内容を簡単にまとめると、以下の二点です。1つは、経鼻生ワクチンは従来の不活化ワクチンと比べて効果はほぼ同等である事です。もう一つは、喘息患者や生後6か月から2歳未満、19歳以上、免疫不全の方は従来の不活化ワクチンを推奨する事です。その大きな理由としては、経鼻生ワクチンの飛沫との接触により、ワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるためです。また、経鼻生ワクチン接種後数日でインフルエンザの症状を呈して医療機関を受診した場合に迅速検査ではワクチン由来ウイルスが検出されて誤ってインフルエンザと診断されてしまう事もあるので注意が必要です。
費用の面はどうでしょうか?予防接種は自由診療なので各医療機関で価格設定が異なるので一概には比較できませんが、経鼻生ワクチンは日本国内では2歳以上19歳未満限定で1回のみ接種で概ね7千から9千円程度のようです。これに対して従来の不活化ワクチン皮下注射は、13歳未満では、2回接種の合計が6千から9千円程度で価格はほぼ同じですが、13歳以上では1回の接種で済むので、3千から5千円の場合が多いようです。尚、接種回数は世界保健機関の推奨では9歳以上が1回ですが、日本では免疫を十分に得るために9歳以上13歳未満も2回接種が推奨されています。
以上を踏まえて、個々の事情や希望を加味して検討した上で接種するインフルエンザワクチンの種類を選択していただければと思います。

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