- 発行日 :
- 自治体名 : 新潟県関川村
- 広報紙名 : 広報せきかわ (2025年11月号)
■吸入療法を続けるコツ―看護師からのサポート
坂町病院
慢性呼吸器疾患看護 認定看護師 小林由美
「吸入療法」という言葉を聞いたことがありますか?
吸入療法とは、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器の病気に使う治療法で、吸入薬を使って肺に直接薬を届ける方法です。飲み薬より効き目が早く、副作用も少ないのが特徴です。吸入薬には「予防のために毎日使う薬」と「発作が起きたときに使う薬」があり、症状をコントロールするために欠かせません。
吸入薬にはスプレータイプや粉末タイプなどの種類があり、使い方が少しずつ異なります。正しく吸入できないと、症状が改善しなかったり、薬が無駄になったり、医師が病状を判断しづらくなることもあります。自己流にならないよう注意が必要です。
よくある質問として「吸入は効いていない気がする」との声がありますが、予防薬は毎日続けることで効果を発揮します。また「症状がないから吸入しなくてもいいのでは?」と思う方もいますが、予防薬は症状がなくても継続することが大切です。さらに「吸入後のうがいは必要?」という疑問に対しては、特にステロイド薬を使う場合は必須です。うがいをしないと口の中や喉に薬が残り、カビ発生などの副作用が出やすくなります。
私たち看護師は、患者さんが安心して吸入療法を続けられるよう支援しています。まずは「吸入方法の確認と練習」です。操作や吸い方を一緒に確認し、慣れるまでサポートします。次に「生活に合わせた工夫」です。例えば「朝の歯磨きのあと」や「寝る前」など、日常生活に取り入れやすいタイミングを一緒に考えます。また「のどがイガイガする」「つい忘れてしまう」といった困りごとについても、気軽にご相談ください。患者さんからは「吸入のコツを知ってから症状が改善した」「発作が出なくなった」といった声も聞かれます。
吸入療法を正しく続けることで、息苦しさや発作をコントロールし、毎日をより快適に過ごすことができます。「うまく吸えているのかな?」「この方法で合っているのかな?」と不安に思ったら、遠慮なく相談してください。定期的な確認は治療効果をさらに高めます。
最後に、チェックポイントを紹介します。
・吸入の前にしっかり息を吐く
・吸入した後は数秒間息を止める
・使用後は必ずうがいをする
・定期的に医療機関で使い方を確認する
これらを心がけることで、吸入療法の効果を十分に引き出すことができます。あなたに合った続け方を一緒に見つけていきましょう。
*このコーナーへのお問い合わせは、県立坂町病院へ。
問合せ:【電話】62-3111
