- 発行日 :
- 自治体名 : 石川県加賀市
- 広報紙名 : 広報かが 令和7年6月号
加賀市医療センター病院長北井です。災害医療の最終回になります。加賀市は県内で最大数の二次避難者を受け入れました。二次避難者は自分で動くことのできる方々でした。しかし、もっと大きな問題は自分で動くことのできない患者さん達です。障がいのある患者さんで、入院していた病院や介護施設が突然無くなった方々も多数おられました。金沢も満床、遠く愛知県や福井県に運ばれた方もいました。加賀市医療センターでも最大限お引き受けすることとして、通常は300床が許可病床ですが、急遽増床し50人を超える能登の方々をお引き受けしました。残念ながら震災関連死と判定されるような事態もありましたが、まさに脆弱な地域に高度の障がいを持たれた方がギリギリの状態でおられたと実感した次第です。仕事を求めて加賀市内に就職したり、加賀看護学校に入学される方もおります。その方々の苦労を思うたび、たまたま我々の災害が軽微であったと思うばかりでなく、能登の問題は次の加賀の問題であると真剣に備えをしないといけないと思いました。早速、感染災害用備蓄倉庫を駐車場の一角に整備しました。少し狭くなりますが、皆様の財産です、ご容赦ください。