くらし 【特集】ゼロカーボンへの挑戦(1)

ZERO CARBON CITY KATSUYAMA 2050~実質Oへ

■はじまっています! ゼロカーボンへ~私たちの選択
◇ゼロカーボン?地球温暖化?
「ゼロカーボン」とは、「地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を、実質的にゼロにする」取り組みです。
「実質的ゼロ」とは、今の暮らしからCO2を全く出さないことは難しいので、排出したCO2と同じ量を「吸収・除去」して最終的にプラスマイナスゼロにするということです。
私たち一人ひとりが、省エネやゴミの減量に取り組んだり、市や企業が再生可能エネルギーを使ったりすることで、地球に優しい未来を子どもたちに残すことができます。

◇〔!〕対策をせずにCO2の排出が続くと…地球の気温がどんどん上昇
・災害多発
大雨・台風・洪水など自然災害が多発し深刻な被害がでる恐れがある。
・食料不足
干ばつが増え、農作物など食料生産に影響がでる恐れがある。 など

■勝山市は「ゼロカーボンシティ」を宣言しています
市では、2022年1月に「勝山市ゼロカーボンシティ宣言」を表明しました。そして、「勝山市ゼロカーボンシティ2050ロードマップ」に沿って、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする取り組みを進めています。

勝山市の目標:2050年CO2排出 実質ゼロ ゼロカーボンを達成

◇ゼロカーボンシティに向け各企業と協定締結
・昨年5月、(株)福井銀行、福井テレビジョン放送(株)、(株)バイウィルの3社とカーボンニュートラルの実現を目的とした連携協定を締結しました。
・昨年7月、Terra Charge(株)と持続可能な地域づくりに向けた連携協定を締結しました。

■市内の現状をリサーチ
◇卒FIT電力を活用!『勝山市×北陸電力(株)』
太陽光で創る電力でゼロカーボンに取り組む
卒FITとは:FIT(固定価格買取制度)による買取期間が満了すること。卒FITとなった電力の活用方法や販売先は発電者が自由に選択することが可能です。

市内の各家庭で創られた再生可能エネルギーの電力をジオアリーナで活用する事業について5月13日から募集を開始しました。北陸電力(株)とともに地域エネルギーの地産地消を推進します。
CO2削減量:年間で約60t

未来創造課
福田 主事
公共施設でも二酸化炭素排出量の削減に向けた取り組みが始まりました。
皆さまもご家庭や事業所などでの再エネの活用についてご検討ください。

◇キャンペーン実施中!
卒FITとなった太陽光発電設備をお持ちの方で、余剰電力を北陸電力(株)に売電し、公共施設に供給する家庭に「新鮮野菜の詰め合わせ」をプレゼントします。
※キャンペーンの対象者には北陸電力(株)から通知が届きます

◇勝山で創られた電力でCO2削減へ『(株)ニットク×北陸電力(株)』
社員の声がきっかけで再エネ活用がスタート

(株)ニットクは、自社で消費される電力の約20%を、市内の太陽光発電設備(北郷町坂東島)で発電された再生可能エネルギーで賄う取り組みを今年の1月から開始しました。
省エネ化、再生可能エネルギーの利用などゼロカーボンに向けた取り組みが行われています。

(株)ニットク
代表取締役 江守 哲郎 氏
太陽光パネルに必要な部材を提供する会社として、社員全員で環境意識を高く持ちながら、CO2削減に向けて取り組んでいます。

◇CO2排出量が極めて少ない小水力発電に取り組む
県内で再生可能エネルギー事業に取り組む(株)マルツホールディングスは、市内に流れる河川で小水力発電の整備に向けた取り組みを開始しました。

運行開始予定:
野津又川での発電量…年間112万kwh(一般家庭約250世帯分)
野津又川(野向町)…2027年5月
河内川(北郷町)…2027年5月
暮見川(村岡町)…2028年11月
※上記河川以外でも可能性調査を実施

(株)マルツホールディングス
代表取締役 土谷 秀靖 氏
勝山市は水が豊富で、小水力発電に適した河川がたくさんあります。
環境に優しい発電方式で地域に貢献できるよう取り組んでいきます。

◇焼却処分していた消化ガスを発電に
下水汚泥処理の過程で発生し、焼却処分していた消化ガスを発電の燃料として有効利用する施設が今年の3月に完成しました。
この施設は消化ガス発電所で、(株)マルツ電波が下水道終末処理施設「勝山浄化センター」敷地内に整備しました。

発電量:年間約14万kwh(一般家庭約32世帯分)

上下水道課
友田 技師
これまで処分していた消化ガスを化石燃料に依存しないエコロジーな発電に有効利用し、年間約68tのCO2削減に貢献できるようになりました。

◇「雪室そば」の提供~CO2を排出しない雪を活用した貯蔵
冬に降り積もった雪を集め、天然の冷蔵庫として活用する「雪室」。雪の雪氷熱エネルギー(クリーンエネルギー)で貯蔵品を冷やします。
毎年夏には、雪室で貯蔵したそば粉を使った「雪室そば」が市内麺類組合の店舗(一部を除く)で提供されています。

◇省エネ診断~脱炭素への始めの一歩
・中小企業等省エネ診断促進事業補助金
市内事業所が電気代やガス代などの経営コストを抑えながら脱炭素に取り組めるよう、省エネ最適化診断等の受診について補助金を交付します。
省エネの専門家がエネルギー使用状況を診断し、省エネに関する提案を行います。ぜひご活用ください。