その他 鯖江でがんばる あの人の笑顔と素顔 vol.28

ビートボックス大会の小学生部門で優勝 山村(やまむら)蒼士(そうし)さん(10)
北中山小学校5年。学校ではその名前をもじって「うし君」と呼ばれることも。好きな科目は国語。マグロの寿司が好物。
新ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」の発売に合わせて今年6月、同ゲーム機にちなんだビートボックス動画を投稿。計18万を超える「いいね!」がついた。

《マイクで魅了、日本一》
口・唇・舌・喉を使って、ドラムや楽器の音、効果音などをまねして出す「ビートボックス」。その技を競い合う国内最大規模の大会「BEATCITY JAPAN 2025」(東京、8月開催)の小学生部門で優勝した。「腕を磨いて、次は大人も出場する大会で上位を狙いたい」。輝きを放つその目は、すでに次なるステージを見つめている。
ビートボックスを知ったのは約2年前。テレビで紹介されているのを見て「人の口からいろんな音が出るのがすごい」と興奮した。動画投稿サイトの映像を見て研究しながら、ドラムなどの基本的な音をマスターすると、舌先を弾いて出す効果音のような技もレパートリーに加えていった。
練習に特別なものは要らない。必要なのは口だけだ。下校中や帰宅後など、暇さえあればリズムを奏でた。勢いあまって授業中にも口を動かしていたため、保護者面談の時に「授業中に変な音を出している」と先生に指摘されたこともある。
転機は今年2月。高度な技を習得していることに、一緒に練習してきた兄・碧音(あおと)さんが気づいた。そこで母親がソーシャルメディア「X」に動画を投稿してみると、反響は一気に拡散。自身が普段から参考にしてきた有名なビートボクサーもその投稿をリポスト(引用)して賞賛してくれた。
「それがあまりにもうれしかったので、思わず『やばい!』って絶叫しました」
この一件が大きな自信につながったからだろう。精鋭たちが集まる8月の全国大会でも緊張することなく自在にビートを刻むと、45秒×2回のパフォーマンスで会場を熱気に包んだ。決勝では相手が繰り出した技をコピーするだけでなく、独自のコンボ技を織り交ぜて返す機転で圧倒。「その瞬間、会場がめちゃくちゃ盛り上がったので、勝ちを確信しました」。その勢いのままステージを締めくくり、日本一の栄冠をつかんだ。「得意のコンボ技をもっと磨きたい」。夢いっぱいの10歳は今日も研究と練習に勤しむ。世界をも魅了する技を追い求めて――。

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(本紙の二次元コード参照)