くらし トイレ行列問題から考える男女共同参画(富士川町 男女共同参画推進委員会)

駅や商業施設、イベント会場などで、女性トイレに長い行列ができている光景を目にしたことはないでしょうか。この「女性トイレの行列が、いま利用マナーや混雑時間帯だけでなく、便器の数の設定そのものに原因がある〝女性トイレ行列問題〟として指摘されています。

多くの公共施設では、男女の利用者数はほぼ同じという前提で、トイレの面積や設備が設計されてきました。しかし、実際には男女で1人あたりの利用時間や利用形態が異なるため、同じ数の便器を設置しても、処理できる人数に差が生じます。

まず、一般的に、女性は衣服の着脱や荷物の扱いなどから、1回の利用にかかる時間が男性より長くなる傾向があります。さらに、妊娠中の方や子ども連れ、高齢者など、多様な人が女性トイレを利用することも、回転率を下げる要因です。

次に、便器の種類の差も重要です。男性トイレには小便器が多く設置されており、短時間で複数人が利用できます。一方、女性トイレはすべて個室であるため、同じ面積でも大きな差が生じます。つまり、男女で便器数が同じであっても、実際の使われ方を考えると公平とは言えないのが現状です。

この問題は、単なる「女性の我慢」や「時間の問題」ではなく、設計段階における男女差への配慮不足といえます。近年は、国や自治体の指針でも、「利用実態に応じた便器数の設定」が推奨されるようになり、女性トイレの便器数を多めに確保する、オールジェンダートイレや多機能トイレを適切に配置するなどの改善策が検討されています。

トイレは、日常生活に欠かせない身近な公共インフラです。行列問題は、単なる不便さにとどまらず、体調不良時や災害時には大きな支障となります。便器数の見直しは特別扱いではなく、公平性を高める工夫です。

多様な立場の人が安心して利用できる環境づくりは、男女共同参画の視点からも大切な取り組みといえるでしょう。