健康 人生100年時代を先取りした 健幸(けんこう)シリーズ その14

吉澤 要(よしざわ かなめ)
地域医療政策室
地域医療政策総合調整参事
(独)国立病院機構 信州上田医療センター 名誉院長

■たばこはなぜやめられないのか
~ニコチン中毒(依存症)~

●百害あって一利なし
たばこの害については、皆さんもすでに十分ご存じかと思います。
たばこの煙には約70種類もの発がん性物質が含まれており、肺がん、喉頭がん、食道がんをはじめ、多くのがんと関連があります。また、心筋梗塞や脳卒中などの心血管障害、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患、糖尿病、歯周病、睡眠障害、認知症、老化促進との関連も指摘されています。
さらに、受動喫煙により、本人のみならず周囲の人(特に妊婦や子ども)に対しても、多大な健康被害を及ぼします。

●ニコチン中毒
では、健幸長寿の最大の敵(図:危険因子に関連する非感染性疾患による死亡数第1位)である“たばこ”は、なぜやめられないのでしょうか。それは、たばこに含まれるニコチンが、脳の報酬(ご褒美)系に作用して、快感や多幸感をもたらすドーパミンを過剰に分泌させるためです。ドーパミンは幸せホルモンの一種で、本来は意欲や集中力、生存や子孫を残すために必要なものです。ただ、その効果は長く続かず、効果が切れてくるとイライラし、またニコチンが欲しくなってしまいます(ニコチン依存)。そのため、健康に悪いとわかっていても、個人の努力でやめるには相当な困難を伴い、禁煙成功率は10%程度と言われています。好奇心や友達からの誘いでなんとなく吸い始め、いったん喫煙習慣がつくと、若者ほどやめられなくなるため、喫煙を始める若者への啓発が必要でしょう。

●健幸長寿のため禁煙を!
禁煙外来の成功率は徐々に上昇して70~80%くらいになっています。すでに長年喫煙されていて禁煙したい方は、依存症を克服するために専門医を受診しましょう。
厚生労働省や市ホームページなどでも、たばこの害や禁煙について情報発信を行っていますのでご覧ください。

問合せ:地域医療政策室
【電話】75・5463