- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県中野市
- 広報紙名 : 広報なかの 2025年12月号
地域の未来を照らすみなさんを紹介します。
■20km競歩 オリンピック選手
藤澤勇
ふじさわ・いさむ 中野市新井出身。中野実業高校卒業後、山梨学院大学へ進学。2012年のロンドン、16年のリオデジャネイロオリンピックに出場。2009年、15年、17年の世界陸上競技選手権大会にも出場している。2021年7月現役引退。ALSOK所属。
○成功のイメージを持ち続ける
「個人競技、しかも長距離が向いていると思う、と小学生の時に先生から言われたんです。」
陸上を始めたきっかけを話す藤澤さん。野球などの球技は苦手だったと笑う。
「中学生の時はそもそも競歩が種目としてなかったので、長距離走をやっていました。高校で競歩を始めましたが、特に目立った成績を残したりはしてなかったですね。」
競技を続けるか、就職するか―。藤澤さんの気持ちを決めたのは、高校3年生で出場したインターハイ。
「結果は全国4位。中野市出身でシドニーオリンピック代表選手の栁澤哲さんも卒業した山梨学院大学への進学を決めました。」
2009年、大学4年生でベルリン世界陸上競技選手権大会に初出場。卒業後はALSOKに所属し、メキシコやイタリアへの海外遠征など着実に経験を積んだ。2021年の現役引退までに、オリンピックには2回、世界陸上には3回出場した。
「タイムが伸び悩んだ時期は、とにかく成功のイメージを持つことを意識しました。長く続けるには気分転換も必要ですね。自分の場合はサッカー観戦でした。」
現在は競歩の普及活動に取り組んでいる。
「自分の現役時代以上に陸上競技界が盛り上がっているのを感じています。ただ、まだまだ陸上競技は格式高いものというイメージが強い。積極的にイベントにも参加し、ファンと選手の間をつなぐ役目を担えたら。」
プロフィールに『競歩ニッポン応援隊長』と掲げた藤澤さんが見据えるのは「3年後の『信州やまなみ国スポ』。長野県選手の入賞はもちろん、長野県のスポーツがもっと盛り上がるために自分にできることをしていきたい。」
