しごと E(イー)ひと発見! #235

E(エ)ネルギッシュに
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皆さんを紹介します

■半世紀にわたる酒造りへの思い
田中屋酒造店 大杜氏
常盤地区 鈴木政幸さん
常盤地区にお住いの鈴木政幸さんは、田中屋酒造店で半世紀にわたり、日本酒「水尾」の製造に携わった大杜氏です。杜氏となったきっかけは、父親が同酒造店で杜氏を務めていたこと。その技術と伝統を受け継ぎ、28歳で杜氏となり、80歳まで職務を全うしました。
鈴木さんは、自身の酒造りにおいて伝統技法を守り、熟練した技術と感覚による酒造りを行ってきました。特に蒸米の柔らかさや麹を水で溶かす工程に最もこだわり「うまい酒になるように」と丹精込めて製造した酒が人々に愛されています。この酒造りへの取り組みにより「令和7年秋の褒章」で農業や工業、商業などの分野で模範となる個人を称える「黄綬褒章」を鈴木さんは受章し、その栄誉に対し「うれしい」と率直な思いを語りました。
鈴木さんの杜氏としての思いは単に酒造りに留まらず、地域や後継者育成にも深く根ざしています。伝統的な技法や感覚で酒造りを行う杜氏を未来へつなぐため、後継者が育つまで熱意を持って指導しました。また、鈴木さんは「水尾といえば飯山、飯山といえば水尾、と思われるようなお酒になってほしい」と地域の誇りとなる酒造りへの願いを語りました。