- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県飯山市
- 広報紙名 : 広報飯山 令和8年1月号
■年頭のご挨拶
農業委員会長 沼田浩子
新年明けましておめでとうございます。
皆さま方におかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年は、「令和の米騒動」による米価の高騰や深刻な渇水など、農業現場では、とても大きな影響があった1年となりましたが、そのような中でも農業委員会業務へのご理解とご協力に深く感謝申し上げます。
昨年全国で先行して策定された「地域計画」の分析結果が農林水産省から公表されました。その報告によれば、10年後に耕作者がいない農地が約36%、高齢により耕作が困難となる恐れがある農地が約23%にのぼり、合計で概ね60%の農地で作り手がいなくなるという懸念があることが示されました。人口減少と高齢化が大きく進む状況において、まさに今、対策を講じないと農業経営基盤が弱体化する懸念があります。
そのような中で、当市内では地区農業再生センターごとに、地域の農業の将来や10年後の農地の担い手を話し合う「地域計画の更新(ブラッシュアップ)」を行っています。農業に携わっている皆さま、また、農業に興味がある皆さま、ぜひ、一緒にこの話し合いにご参加ください。
さて、当委員会では昨年、次の2点を県の協議会等で議題として取り上げていただいたほか、国会議員や県農政部との懇談会の場においても、要望を行っております。
(1)地域計画が策定された地域において、担い手への農地集約を円滑に進め、農地利用の効率化を図るため、農地所有者に負担が生じない手法による基盤整備事業の導入
(2)生産費が高い傾向にある中山間および山間地において、営農を継続し、水源や水路等の適切な維持管理を継続できるよう、創意工夫を生かした柔軟かつ手厚い支援
今後は、担い手農家への支援拡充や地域ごとに異なる農業課題の解決に向けてさらに国や県に要請して参ります。
先人から受け継いだ緑豊かな里山の風景、美しい田畑、そして清らかな小川のせせらぎ。こうした農村の風景と人々の暮らしは、農業者が守り、創り、次世代へと繋いでいるものです。
農業委員会は、農地と農業者、そして地域のために本年も一丸となって活動して参ります。関係各位ならびに地域の皆さまにおかれましては、一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに皆さまにとって幸多き一年となりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
■第10回長野県農業委員会大会に参加
11月19日、松本キッセイ文化ホールにおいて、第10回長野県農業委員会大会が開催されました。その席上にて農業委員等功労者表彰が行われ、秋津地区の松永晋一さんが全国農業会議所会長表彰(写真)、瑞穂地区の増山正一さんと小林喜代春さんが長野県農業会議会長表彰を授与されました。
農地利用最適化の推進に関する要請決議では、食料安全保障の確立のため、農業者が安心して営農を継続できる再生産可能な農畜産物の適正価格の実現や米政策など中項目20の事項を含む大項目5つについて、要請すべく満場一致で決議されました。
そのほか、佐久市の地域計画の推進の事例発表や、「山形県農村づくりプロデューサー 髙橋信博氏」から、山形県寒河江市の地域計画の事例の紹介と話し合いの進め方について講演がありました。(詳しくは次号で紹介します。)
■あしあと 11・12月の活動記録
11月
4~6日
・管外視察研修
10日
・農業委員会役員会
19日
・長野県農業委員会大会
26日
・農業振興・農政対策委員会
・11月農業委員会総会
12月
10日
・農地相談
・農業委員会役員会
25日
・12月農業委員会総会
■研修視察報告
飯山市農業委員会 春日孝利
令和7年11月4日から6日まで、福井県若狭町および京都府京丹波町の研修視察を行いました。
▽福井県若狭町
4日の午後、若狭町役場にて瓜生(うりゅう)地区の地域計画の策定事例について説明を受けました。この地区では、260ヘクタールの農地を認定農業者17人が235ヘクタール、一般農業者53人が25ヘクタールをそれぞれ耕作しています。農地集約の推進にあたっては、土地の条件整備が不可欠であり、農地の所有者の負担がない農業基盤整備事業を活用して土地改良を行い、小作料等の条件を合わせて担い手への効率的な集約を目指しているとのことです。
また、意向調査の結果によると、10年後の農業利用については、71の回答のうち17(約24%)の農業者が今後も営農継続を見込んでおり、残りは見通しが立たないとの答えでした。この事例は、農地の未来像と課題を示すものであり、地域の農業振興計画と、地域との話し合いの重要性を改めて認識させられました。
▽かみなか農楽舎
5日の午前は、地元企業と若狭町が連携し運営する農業体験型研修施設「かみなか農楽舎」の視察を行いました。この施設は、都会の若者が農業や農村再生の担い手として共同生活で技術研修を行い、今年で24年目を迎えるそうです。卒業生27名が地域の水田の約2割を担い、次世代にもつながるという、地域定着につながる継続的な人材育成が進められています。
また、年間約50人のインターンシップの受け入れも行われており、地域農業を牽引する次世代の育成に努めている点に感銘を受けました。
▽京都府京丹波町
5日の午後は、京都府の中央部に位置する京丹波町を訪れました。同町は80%が山林であり、地域の多くは、ヤツデの葉のような形の沢に沿って農地が存在する中山間地です。人口は約12,000人と、飯山市と類似した構成となっており、高齢化が進んでいます。
地域計画においても「10年後が不透明」との意見があり、守るべき農地とそうでない土地の見極めを進め、持続可能な農地管理を模索している現状を理解しました。しかしながら、当地は農業委員会活動がとても活発であり、その秘訣は、農業委員と事務局とのコミュニケーションにあったとのことでした。
▽丹波黒豆の収穫体験
最終日は、丹波の黒豆のブランド育成と地域振興の取り組みを学びました。京丹波町の農業委員会長の山田様より、丹波黒豆の黒大豆(くろだいず)から枝豆への生産・販売戦略について説明を受けました。当初は黒大豆として出荷していたものを枝豆として販売していたところ、評判を呼び、観光バスも立ち寄る観光資源へと成長させた例は、地域ブランドの成功例といえます。しかし、枝豆での販売には、手間も多く、拡大には限界があるとも語られました。
ほ場見学では、黒枝豆の色や形の変化に触れ、地域固有の農作物の特色を実感できました。これらの体験を通じて、各地が未来に向けたさまざまな模索を行っていることを再認識しました。
問合せ:飯山市農業委員会
【電話】0269-67-0729(直通)【FAX】0269-62-6221(2階代表)
